和歌山県

つるのゆおんせん

鶴の湯温泉

鶴の傷をも癒す、ツルツルっとした伝説の温泉
鶴の湯温泉は、国道424号から少し離れた山の中に湧く、静かな温泉です。最近できたばかりのような道路が少しありますが、それ以外は対向車が来るとすれ違うのが怖いくらいの山道を行った先にあります。辿り着くと、わりと立派な旅館があって、訪れる客も多いのに驚きます。この温泉の名前の由来は、鶴が霊泉で傷を癒しているのを発見したことからそう呼ばれるようになったそうで、江戸時代には湯治場として知られていたそうです。その後廃れてしまって長らく忘れ去られていたようですが、近年になってボーリングして復活したのだそうです。旅館の奥には日帰り入浴用の浴舎があり、外来で入浴する人がけっこう多いようです。玄関前には家庭用の物置のような小屋があり、中を覗くと温泉の汲み取り場となっていました。湯は飲用できるようで、ポリタンク等で持ち帰る人がいるようです。ちなみにそのままでは蛇口をひねっても温泉は出てこないようです。フロントでお願いすると無料で持ち帰ることができます。館内に入ると正面にロビーがあり、右側に浴場の入口があります。まずは内湯の入口があり、廊下の突き当たりには露天風呂の入口がありました。内湯と露天風呂はつながっていないので、脱衣所は別々にあり、裸では行き来できないようになっています。また、脱衣所には「裸で移動しないでください」との注意書きもあります。さすがに裸での移動はそう滅多にはいないだろうと思うのですが、わざわざ書いてあるところをみるとたまにはいるんでしょうね。まずは内湯に入ってみました。内湯も小ぢんまりとしていますが、そこそこの広さがあります。手前側に洗い場があり、奥の窓側には湯舟があります。窓は全面に広がる大きなガラス窓で、外の景色も眺めることができます。湯は黄銅色というか、淡黄色というか、とにかく濁った色です。湯の注ぎ口は赤茶色に温泉の成分がこびりついています。特に鼻を突くような臭いはありませんが、ちょこっと(すく)って飲んでみると鉄の錆びのような味覚がありました。透明度は30センチほどです。体を流してまず最初に感じるのは、その湯のツルツルとした浴感です。鶴の湯というネーミングはこの肌触りから来たのかと思うほど、ツルツルとした浴感を味わうことができます。続いて露天風呂へと向かいます。こちらは脱衣所にも屋根はありますが、とてもシンプルなものです。屋根のついた湯舟と手前には洗い場があります。そして湯舟の奥には手入れの行き届いた庭園が広がっています。これまたとても風情のある景色です。庭園を眺めながら優雅に温泉に浸かって、のんびりと過ごしたいところですね。しかしながら非常に人気のある温泉施設のため、少しでもゆっくりとしたいならば平日を狙うのがいいでしょう。
掲載: 2008/10/25
Data
  1. 所在地:和歌山県日高郡みなべ町熊瀬川
  2. 源泉名:新鶴の湯温泉
  3. 入浴 :2007年8月
  4. 泉質 :含二酸化炭素・ナトリウム・マグネシウム−炭酸水素塩泉
  5. 泉温 :源泉22.5度
  6. 湧出量:毎分97リットル
  7. PH :6.7
  8. 蒸発残留物:4.760g/kg
  9. 形態 :温泉旅館 男女別
  10. 効能 :(浴用)神経痛、五十肩、運動麻痺、うちみ、やけどなど
    (飲用)慢性消化器病、慢性便秘、痛風、肝臓病など
  11. 露天風呂:あり
  12. 開放度:☆☆
  13. 清潔度:☆☆☆☆
  14. 気軽度:☆☆☆
  15. 湯治度:☆☆☆
  16. 人気度:☆☆☆☆
  17. 景色 :☆☆☆
  18. 総合評価:☆☆☆