長野県
せんこおんせん
千古温泉
真田一族の隠しの湯といわれる歴史ある古湯
上信越道、上田菅平インターからクルマで10分ほど、国道144号線から脇道に入ってさらに細い下り坂をおりた渓流沿いにある一軒宿が千古温泉です。周囲は田んぼの広がる田園地帯で、ひっそりとした隠れ宿の雰囲気漂う一軒宿という雰囲気でした。通りからは見えない位置にあるので、まさに谷間にある秘湯の宿という印象を受けました。実際に「信州秘湯の会」というところの会員宿なのだそうです。日帰り入浴も積極的に受け付けているので、気軽に利用することもできます。館内に入るとまず大きな熊や鹿が出迎えてくれました。剥製なのですが、玄関の入口に向かって立っているので思わずびっくりします。浴室は玄関のすぐ脇にありました。手前が女湯で奥が男湯となっていました。脱衣所は棚にカゴがあるだけの簡素なタイプのものです。狭くて質素な雰囲気が、秘湯ムードを一層掻き立てていました。浴室は小ぢんまりとした内湯のみで露天風呂などはないようです。小さな浴室ということもあって、浴室内は熱気でムンムンしていました。またそれと同時に硫化水素の臭いがプンプンと漂っています。とても地味な印象だったのであまり期待しないで入ったのですが、これはちょっとワクワクさせてくれますね。湯舟は長方形の小さなもので、洗い場ばゴツゴツとした溶岩で飾られていました。窓があるので明るいのですが、外を覗くとすぐ目の前は通路になっています。通路とはいっても人通りはありませんし、ガラス窓の下側は曇りガラスになっているので問題はありません。湯は無色透明でとても透き通っていました。さっそく体を流して湯舟に浸かると、肌がツルツルと感じる「美人の湯」です。少しぬる目なように感じましたが、不思議とジワッと汗が出てきます。ポカポカと内側からあたたまるようで、これぞ温泉力という感じです。一旦、湯舟から出て体を洗っていると、足の裏が真っ黒なことに気がつきました。そういえば細かな黒い浮遊物も少々あったなと思い出しました。これはこの温泉特有の湯ノ華で、温泉のマンガン成分なのだそうです。それにしても本当に静かでのんびりとしたいい雰囲気です。思わず鼻歌が出てきそうな気分です。千古温泉音頭というのもあるそうで、ツウな方ならそれを口ずさむのでしょうね。
掲載: 2009/01/10
Data
- 所在地:長野県上田市真田長横尾
- 入浴 :2007年9月
- 泉質 :単純硫黄冷鉱泉(アルカリ性低張性冷鉱泉)
- 泉温 :源泉24.4度
- PH :8.60
- 蒸発残留物:528mg/kg
- 形態 :温泉宿 男女別
- 効能 :慢性皮膚病、痛風腺病、慢性婦人生殖器病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索