群馬県
いかほおんせん・いしだんのゆ
伊香保温泉・石段の湯
石段で疲れたらじっくりと共同湯で名湯を味わおう
伊香保温泉は榛名山の東側にある群馬県を代表する温泉地のひとつです。万葉の時代から知られているという古い温泉で、長篠の戦いで負傷した武田勝頼の軍の療養地として整備されたという歴史もあります。斜面に温泉街が広がる坂の町としても有名で、温泉街を貫く石段は観光名所ともなっています。その石段の下にある公衆浴場が「石段の湯」です。有名な温泉街にある公衆浴場にしては、ちょっと規模が小さいようにも感じますが、その分とても庶民的で素朴さが嬉しいです。石段はけっこう急勾配だし、上り下りするとけっこう体力も消耗します。汗を掻いた後にゆっくりとこの湯に浸かると、心も体もリフレッシュして楽しく観光ができそうですね。さっそく館内に入るとすぐに受付がありました。脱衣所に入ると中には棚と籠が並んだ素朴な部屋があります。そこで着替えて裸になりますが、浴室に向かおうとするともうひとつ部屋がありました。こちらは洗面台が並んでいました。また、コインロッカーも用意されています。小ぢんまりとした施設ながらも、館内はしっかりとしているのですね。しかしながら浴場は内湯のみで露天風呂はありません。真冬だったせいもあり、浴場内は湯けむりが充満していて何も見えないくらいの濃霧状態でした。手前側両サイドに洗い場があり、そして奥の方に湯舟があります。壁には蒲鉾型の枠の中に獅子の頭の湯口があり、トボトボと湯が注がれています。湯舟からも大体同じくらい溢れているようなので、掛け流しになっているようです。溢れた湯は、床を濡らして排水されているのですが、良く見ると赤茶色の堆積物で床がコーティングされて不思議な模様を描いています。清掃は定期的に行われているでしょうから、それだけ成分の濃い温泉なのでしょうね。湯は薄い黄緑色に見えます。黄緑といってもくすんだ色で、透明度は1.5〜2メートルほどでしょうか、個性的な色合いを見せています。非常にサラサラッとした湯ですが、ちょっと硬い肌触りという印象を受けました。ちなみに浴場は大きなガラス窓があるので、非常に明るい雰囲気です。窓の外にはベランダ状になった小さな休憩スペースもありました。小さなベンチがいくつかあるだけですが、ちょっとした息抜きにいいですよね。しかしながら、残念なことに冬場は出られないということで閉め切りになっていました。昔ながらの温泉街ですが、気軽に名湯を味わうことができる施設として非常に重宝できる存在だと感じました。
掲載: 2009/02/28
Data
- 所在地:群馬県渋川市伊香保町伊香保
- 源泉名:総合湯(混合泉)
- 入浴 :2008年3月
- 泉質 :カルシウム・ナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉
(中性低張性温泉) - 泉温 :源泉41.6度
- PH :6.3
- 成分総計:1.39g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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