岐阜県
なえぎおんせん・かすみそう
苗木温泉・かすみ荘
ゆ〜っくりと時間とお湯が流れる湯治宿
国道257号線、木曽川を渡る中津川道路のすぐ入口にある鉱泉宿が苗木温泉「かすみ荘」です。木曽路の入口に位置し、近くには恵那峡、そしてすぐ裏には苗木城跡もあり、歴史のおもかげを散策する拠点としても利用できそうな素朴な宿です。国道からは細い路地に入っていくのですが、うっかりすると見過ごしてしまいそうなので注意しながら進みます。路地に入るとすぐに宿の駐車場が見えてきました。盆栽や庭園風の石垣があり、ちょっと鄙びた雰囲気がありながらも昔ながらの湯治宿といった雰囲気もありました。宿の玄関まで行くとそこにインターホンがあり入浴料の書かれた札がありました。インターフォンでさっそく湯を請うと「場所はわかりますか?」と聞かれたので、「初めてです」と答えると、しばらくして奥から人が出てきて案内されました。玄関を入るとすぐ脇にある細い(本当に細い)廊下を進みます。ちょっと行くと渡り廊下のような踊り場から外へ出て、坂道を登ったところに別の建物があり、そこに入ります。客室の並んだ鄙びた廊下の先に「入浴場」と書かれた浴室の入口がありました。けっこうややこしい場所にあるので、知らなかったら行けませんね。浴場はひとつしかないらしく、しかも内側から鍵をかけることができるので、貸切で利用することが可能です。逆に誰かが利用していると待つことになります。脱衣所は棚に籠が並んだだけの質素なもので、昔ながらの鉱泉宿か民宿といった雰囲気です。棚の一部には「モンゴルの塩」が並んで売られていました。浴場で塩もみをするのにいいようです。浴室は地味なタイル張りの小ぢんまりとしたものです。曇りガラスの窓がありますが、ちょっと薄暗い印象です。湯舟は角にあり、扇状をした小さなものです。大人が3人も入ればいっぱいといったところでしょうか。洗い場もあり、石鹸やボディソープ、リンスインシャンプーも用意されていますが、とにかく寂しい印象の浴室です。湯は角の岩陰と手前の蛇口から注がれています。湯量は各自で調節することができるので、温度調節も可能です。無色透明の透き通った湯が溢れていました。循環装置はなさそうなので掛け流しになっているようですね。天然のラジウム鉱泉ということで、湯そのものには目立った特長はありませんが、リュウマチや痛風、尿酸結石などにも効果があるようです。非常にサラサラとした軽い感じの湯で、温度もちょうどよくて気持ちよく利用できました。こういった貸切の風呂は、後の客のことが心配になってなかなか落ち着いて入ることができない性質 なのですが、静かでのんびりしていて湯が滑らかで、このままずっと独占していたい気分に駆られてしまいました。幸い、後にも先にも待ちの客がいなかったのでゆっくりさせていただきました。隠れた穴場的な存在で、湯治の雰囲気も漂う鉱泉宿でした。
掲載: 2009/03/07
Data
- 所在地:岐阜県中津川市苗木
- 源泉名:霞ヶ湯 一号泉
- 入浴 :2008年3月
- 泉質 :放射能泉(緩和性低張冷鉱泉)
- 泉温 :源泉12.8度
- 湧出量:毎分54リットル
- PH :5.0
- 蒸発残留物:85.0mg/kg
- ラドン含有量:35.15マッヘ
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :慢性関節リウマチ、慢性筋肉リウマチ、神経痛、神経炎、痛風など
- 露天風呂:なし
- 開放度:
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆☆
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