千葉県
いわぶおんせん・いわぶかん
岩婦温泉・岩婦館
ゆっくりとした時間の流れを湯の香りとともに味わう
内房、岩井海岸から少し内陸に入ったところに岩婦温泉があります。海岸からは2キロほどしか内陸に向かっていないのですが、山々に囲まれていてとても山深いところにいるような気にさせられる場所にあります。この一帯にはいくつかの宿があるようですが、点在しているのでとても静かな雰囲気となっていました。岩婦温泉には県道から細い道に入るのですが、とにかく案内表示がなければこの先に宿があるとはとても思えない寂しい感じのところです。岩婦館はその最深部にあり、小さな貯水池のほとりにありました。宿泊の他にも日帰りでの入浴も積極的に受け付けているようで、玄関には大きな文字で「営業中」の札があり、また料金表も掲げられていました。料金は大人と子どもの料金に加え、1時間以内、2時間以内、6時間以内と細かく区切られていました。浴場は玄関入ってすぐの廊下入口にあります。小さな鉱泉宿らしく、とても素朴な感じの浴場です。脱衣所には棚があるだけの非常に質素なものです。そして浴室も小ぢんまりとしたもので、手前両サイドに洗い場があり、奥の窓際に湯舟があります。湯舟は子どもの頭ほどの石とゴツゴツとした溶岩で装飾された岩風呂で、大人が2〜3名ほどでいっぱいの小さなものです。洗い場はボディソープとリンスインシャンプーが用意され、けっこうスペースがあるので余裕を感じました。まず浴室に入ってというか、脱衣所に入ってすぐに感じるのがその独特な臭いです。硫化水素の芳しい匂いがプンプンと漂って鼻をくすぐります。湯舟の湯は透明度はあるものの、ジャスミン茶のような黄色い湯でした。サラサラとした非常にさっぱりとした感じの湯です。湯舟の湯は沸かし湯ですが、脇の蛇口から湯水を注ぎ温度を調整することができます。湯も水の蛇口もそれぞれ捻ってみると、硫化水素の臭いをはっきりと感じられるので源泉のようです。ちなみに洗い場のカランからもしっかりとした硫化水素臭を感じることができます。源泉がそれなりに豊富なのでしょうね。贅沢な気分で利用することができます。ちなみに浴室の窓が大きなガラス窓ですが、半分曇りガラスになっています。窓を開けると外が見えますが、すぐそこまで裏山が迫っているので、景色を楽しむという感じではありません。しかしながらとても長閑な山里の田舎という感じでのんびりと過ごすことができました。
掲載: 2009/03/14
Data
- 所在地:千葉県安房郡富山町高崎
- 入浴 :2008年3月
- 泉質 :単純硫黄泉(低張性・弱アルカリ性・冷鉱泉)
- 泉温 :源泉17.9度
- 湧出量:毎分2リットル
- PH :7.91
- 蒸発残留物:0.579g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆☆☆
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