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山梨県

せきすいじおんせん・ようがい

積翠寺温泉・要害

谷間から望む大パノラマの甲府盆地
甲府の駅からクルマで10分ちょっと、武田神社を過ぎていった先に「要害山」という山があります。要害山には武田信玄公が生まれたという要害城があり、その麓にある旅館が「要害」です。甲府からすぐの場所にあるにもかかわらず、非常に急な細い道を登っていくので、あたりは自然に囲まれとても静かな雰囲気のところです。積翠寺温泉にはもうひとつ「古湯坊」という宿もありますが、山を隔てて少し離れているので、ほとんど一軒宿といった印象です。一軒宿といっても寂れたものではなく非常に優雅で品格のある宿で、とても高級感のある宿でした。ちょうど春先の桜が満開に近い状態の時期に訪れたので、庭の桜や山ツツジがとても綺麗に咲き乱れていました。また、その庭では何かの宴が行われていて、優美な琴の音色がとても心地よかったです。駐車場には高級車がズラリと並び、黒いスーツを着た要人のような人たちが沢山いたので何事かと思ってしまいました。浴場はロビーより階下に降り、廊下の突き当たりにあります。脱衣所には棚に籠が用意されたものと、コインロッカーがありました。わりとシンプルな造りです。内湯は手前側に洗い場が並び、窓側に大きな湯舟があります。けっこうそれなりに広々とした浴場で、また床が十和田石のような青白い凝灰石、湯舟は赤い御影石が使われていて、こちらも高級感がありました。湯はほとんど無色透明で、サラッとした軽い感じの湯です。非常に古くから知られる温泉ですが、平成19年(2007)から新しい源泉を利用しているそうで、加水なしの源泉100パーセントで利用しているのだそうです。内湯の外側には露天風呂がありますが、露天へのルートは2つあり、ひとつは湯舟の中からそのままガラス戸を開けて外に出る方法と、脱衣所から浴場の脇を抜けていく方法がありました。内湯から外へでるとそこは板張りの廊下になっていて、小さな中庭のようなスペースの先に露天風呂があります。こちらもわりと大きめの湯舟でゆったりとしています。そして何よりもとても開放感に満ち溢れていて、いきなり心を鷲づかみにされてしまいました。それというのも、目の前はなだらかな下り坂になっていて、両脇にそびえる山々の谷間に先には甲府盆地の市街地が見えるのです。街並みが非常に小さく見え、そして街のさらに先には盆地を囲む南アルプスの山々が構えていて、何とも雄大な景色なのです。昼間はこのようにパノラマ景色を堪能できるのですが、夜は一変して見事な夜景に切り替わるのだそうです。今回は立ち寄りで利用したので昼間の景色だけでしたが、これから想像するにダイヤモンドを散りばめたようなロマンチックな景色が拝めることでしょう。谷間を吹き抜ける風も心地よく、非常にのんびりとした雰囲気が楽しめました。ただひとつ難点は、ボイラー室が露天のすぐ脇にあったので、男湯の場合はちょっとその音がうるさかったです。しかしながら、そんなことどうだっていいくらい素晴らしい景色に心を奪われる温泉宿でした。
掲載: 2009/03/22
Data
  1. 所在地:山梨県甲府市上積翠寺町
  2. 源泉名:要害温泉
  3. 入浴 :2008年4月
  4. 泉質 :低張性弱アルカリ性低温泉
  5. 泉温 :源泉25.6度
  6. 湧出量:毎分84.7リットル
  7. PH :7.8
  8. 蒸発残留物:702mg/kg
  9. 形態 :和風温泉旅館 男女別
  10. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
  11. 露天風呂:あり
  12. 開放度:☆☆☆
  13. 清潔度:☆☆☆☆☆
  14. 気軽度:☆☆
  15. 優雅度:☆☆☆
  16. 景色 :☆☆☆☆
  17. 総合評価:☆☆☆☆