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長野県

ゆりいおんせん・かせつきょうどうよくじょう

百合居温泉・仮設共同浴場

蛙の鳴き声に囲まれて、のんびりと田舎の湯を味わう
国道117号線から飯山線横倉駅の方へと入り、千曲川の対岸の田園地帯にポツンとある小さな共同浴場が百合居温泉です。目の前はすぐ田んぼで、蛙の鳴き声が響き渡る長閑(のどか)な場所にあります。大きな通り沿いではないので、ちょっとわかりづらいかも知れません。ある程度見当を付けて行ってみたのですが、その建物が温泉ということに気が付かずに、周辺をグルグルと回ってしまいました。簡素なプレハブ小屋が浴舎になっているので仮設っぽさがありますが、そこがまたローカルな気分をいっそう盛り上げています。入口は簡易的な破風が作られていて、木の板に「百合居温泉」と墨字で書かれているのがとても情緒があっていい感じです。中に入ると土間のようになっていて、正面には料金箱、そして左右に男女の浴室入口がありました。仮設ということもあってか管理人は常駐していないので、利用する際には各自で入浴料を払います。仮設的なプレハブのわりには、隣に立派な休憩室まであります。しっかりと造られているのが好印象です。脱衣所に入ると両脇に簡素な棚があり、底の浅いカゴが並んでいます。それなりに広く狭苦しさはありません。洗面台や扇風機も用意されていました。浴室に入ると、これもまた予想外に広々としています。手前側が洗い場で、奥が湯舟ですが、床も湯舟もコンクリートで飾り気のない無垢な造りです。壁や天井は木の板やベニヤ板で作られていて、ハンドメイドというか手作り感もあり、素朴ながらも味わいを感じました。洗い場は左右に1つずつしかないので、混んでいるときには順番待ちは避けられませんね。浴室には湯舟側に曇りガラスの窓があるだけで、少し薄暗くも感じますがこの方が素朴感があっていいものです。湯舟は大人が10人以上は軽く入れる大きなもので、手前の隅のパイプからボコッボコッと音をたてながら湯が注がれています。湯は循環されることなくそのまま溢れ出していました。ほとんど無色透明の湯でサラッとしていますが、その最大の特徴は臭いです。ふんわりと漂うその臭いは、ガソリンスタンドにでもいるような油臭なのです。強烈というほどではありませんが、肌にうっすらと染み付くような臭いでした。やはりここを利用する方のほとんどは地元の方のようで、常連らしき方々が会話に花を咲かせとても賑やかな雰囲気でした。仮設とはいえ、完成度が高いので、このままいつまでも雰囲気を大切にしてもらいたいと願うような共同湯でした。
掲載: 2009/05/17
Data
  1. 所在地:長野県下水内郡栄村
  2. 入浴 :2008年5月
  3. 泉質 :ナトリウム−塩化物温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
  4. 泉温 :源泉49.8度
  5. 形態 :仮設の共同浴場 男女別
  6. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
  7. 露天風呂:なし
  8. 開放度:☆
  9. 清潔度:☆☆
  10. 気軽度:☆☆
  11. 地元度:☆☆☆☆☆
  12. 鄙び度:☆☆☆
  13. 秘湯度:☆☆☆☆
  14. 素朴度:☆☆☆☆
  15. 異色度:☆☆☆
  16. 景色 :
  17. 総合評価:☆☆☆☆