広島県
ふかわのゆ
ふかわの湯
織田家の家臣が傷を癒したという、伝説の出湯
広島東ICから車で5分ほど、小河原町の山の中にある日帰り温泉施設が、ふかわの湯です。山の中といっても、工場や住宅の点在する開けたところです。大きな暖簾に「ゆ」の文字が目立つ和風スタイルの施設で、雰囲気のなかなか良さそうなところです。館内に入るとシューズロッカーと自動券売機があり、その奥に受付と男女の浴場入口がありました。右側には食事処、左側はジュースなどの飲料水の自販機が並んだ小さな休憩エリアと、ゲームコーナーがありました。駐車場はけっこう広い施設ですが、施設の規模はちょっと小さめです。脱衣所にはスチール製のロッカーが並びます。鍵が掛かりますが、ちょっとガタついたものもあるので貴重品は持ち込まない方が無難でしょう。浴場はタイル張りのオーソドックスな浴室スタイルです。正面に掛かり湯があり、右側に湯舟、左側奥は洗い場のエリアとなっています。小規模なスーパー銭湯というところでしょうか。洗い場は固定シャワーとホース式のシャワーのものが混在しています。ボディソープやリンスインシャンプーは用意されていませんので各自で用意する必要があります。湯舟は大きな主浴槽の他、ヘルツ風呂や強烈なバブルの浮き風呂、座湯などが並んでいます。それらは無色透明の湯ですが、ひとつだけ強烈な色の湯舟がありました。イベント湯として「別府の湯」となっていましたが、入浴剤の濃い色と臭いです。別府からの運び湯ではなく、入浴剤でのイメージ・バスのようです。浴室の一角には韓国式アカスリのコーナーもありました。露天風呂は殺風景な内湯とは違い、落ち着いた和の雰囲気です。まずは巨大な樽を模した壁に大きな墨文字が書かれた湯舟があります。それには「織田家の家臣が中国遠征のおりこの深川の地て足のキズをこの湯にて治す」と由来が書かれていました。伝説のある温泉というのは、どんなに小さなものでもロマンを感じますよね。長い歴史の中でどのような変遷を遂げてきたのか思いを馳せると感慨に浸れます。湯舟は大人が4〜5名ほどは余裕で入れます。それからミストサウナがあり、その奥には打たせ湯が2筋あります。また小さな水風呂もありました。水風呂の脇には飲用水もあります。小ぢんまりとした露天ですが、奥には広めの涼み処もありました。高い壁があるので、目線より上しか視界がありませんが、周囲ののんびりとした山の景色が楽しめます。天気が良ければ日光浴もいいでしょう。雰囲気がとてもいいのでのんびりと寛ぎたいところですが、演歌や歌謡曲がガンガンに流れているので、ちょっと興醒めしてしまいます。そういえば脱衣所にもどこにも温泉分析表が無いので、どの湯舟が温泉なのかよくわかりませんが、放射能泉の冷鉱泉のようです。浴感重視の方には物足りないかもしれませんが、銭湯感覚で気軽に立ち寄れるので、温泉資源の乏しい広島県においては重宝できる存在でしょう。
掲載: 2009/05/23
Data
- 所在地:広島県広島市安佐北区小河原町
- 入浴 :2008年5月
- 泉質 :単純弱放射能冷鉱泉
- ラドン含有量:30.2マッヘ
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索