山形県
やまがたおんせん・ざおうそう
山形温泉・蔵王荘
浸かって健康、飲んでも健康。住宅地に佇む隠れ名湯宿
山形温泉蔵王荘は山形市の郊外、国道13号線から少し中に入った住宅街の中にある温泉宿です。細い路地に入ったところにあるので、ちょっとわかりづらいかもしれませんが、県道からも大きな建物が見えるので、だいたい見当がつくと思います。住宅地に隠れるようにして建つ旅館の割りには、鉄筋の大きな建物です。駐車場脇には源泉がチョロチョロと流れる石桶があり、湯元であることをアピールしていました。浴場はロビーからグルッとまわった奥にあります。浴場の暖簾をくぐると休憩ロビーのようなスペースがあり、右に女湯、左に男湯の入口がありました。一角には貴重品用のボックスもありますが数が少ないので早いもの勝ちですね。脱衣所は棚にカゴが並び、洗面台がちょこっとある、とても小ぢんまりとしたものです。二重の扉を抜けると浴場があります。内湯のみの小ぢんまりとした浴室ですが、奥のガラス窓の外には庭木の配された坪庭が見え、採光豊かでとても明るい印象を受けます。手前両サイドに3つずつ洗い場が並んでいて、奥の中央に湯舟があります。まずは洗い場で体をサッと流しますが、プンッと鼻をつく金気臭を感じます。また、肌がツルツルとした感触のよい肌触りも感じました。明らかに水道水とは違うようなのでどうやらカランでも温泉が使われているようです。湯舟は大人が4〜5名ほど入れる大きさで、黄銅色に濁った湯が溢れていました。湯は透明度が1.5メートルほどでしょうか、そんなに濃いという印象でもありません。湯はカエルの置物が鎮座した湯口からトロトロと注がれていますが、けっこう熱い湯です。温度を計ると45.3度ありました。体を慣らしながら湯舟に浸かると、ザザーッと豪快に湯が溢れ出し、床一面に広がっていきました。ここでは加熱、加水、循環等は一切行わず、天然温泉をそのまま掛け流しで利用しているのだそうです。飲泉もできるようでカエルの上にカップが用意されていました。さっそく飲んでみると、微妙に塩分を感じるような、それでいて金気臭いような味です。それほど不味くはありませんが、美味しくもありません。やはり熱い湯なので、すぐに汗だくになってしまいます。湯舟から出ると、脱衣所の扇風機がとても心地よかったです。非常にのんびりとした温泉ですが、近所の住民たちもお風呂代わりによく訪れるようで、夕方になると次々と人が湯に浸かりに来るそうです。観光の拠点としても立地的に悪くないので、温泉を楽しみに宿泊するのもいいでしょう。
掲載: 2009/06/07
Data
- 所在地:山形県山形市蔵王成沢
- 入浴 :2008年6月
- 泉質 :ナトリウム−硫酸塩温泉(旧泉質名:芒硝泉)
- 泉温 :源泉50.1度
- PH :8.0
- 蒸発残留物:3046mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病、神経痛など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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