福井県

はとがゆこうせん

鳩ケ湯鉱泉

白山の麓に湧き出る、釣り客の癒しの湯
鳩ヶ湯温泉は白山の麓の山深いところにある一軒宿です。国道158号線からクネクネと続く山道を登った先にあり、本当に自然豊かな寂しいところです。ここを訪れる客は釣り客か登山客のようで、あまり温泉だけを目当てに来ることはないでしょう。しかしながら特徴的な温泉でもあるので、温泉好きにも満足できる温泉です。ほとんど人工物のないような山道を進んでいくと、突然大きな宿が見えてきます。赤い屋根の素朴な建物が、いかにも鉱泉宿だという感じを抱かせてくれていました。館内に入ろうとすると「←宿泊 入浴→」という文字が見えます。日帰り入浴の場合は受付が違うようです。建物に入ると人が出てきて受付をしてくれました。浴場は階段を上がり右に向かった突き当たりです。非常に年季の感じる館内ですが、しっかりとした造りになっています。浴場は手前が女湯で奥が男湯となっています。脱衣所には簡素な棚に籠が並んでいるだけで、非常にシンプルです。年季の入った扇風機がとても郷愁を誘います。浴室は内湯のみの小ぢんまりとしたものです。丸タイルの素朴なもので、角に弧型の湯舟がありました。洗い場はいくつかありますが、シャワーがついているのは二つだけでした。カランの湯水は温泉ではないようで、使いすぎると温泉の効果がなくなると注意が書かれていました。節水を促す効果もありそうですね。湯舟の湯はほとんど無色透明ですが、薄く白濁している気がします。体をサッと流して湯舟に浸かると、ツルツルとした浴感がありました。湯舟の脇には蛇口とコップが用意されていて、飲泉もできるようです。さっそく蛇口を捻ると、冷たい水がジョロジョロと出てきました。飲んでみると、しっかりとした塩分と、そして薄い苦味を感じます。思わず「うっ」と来る味であまり美味しいものでもありませんでした。塩分を多く含むこともあってか、浸かっているうちにどんどん汗が出てきます。浴後には古びた扇風機がとても役に立ちました。非常にのんびりとした雰囲気で気持ちよく利用することができました。まさに秘湯を楽しんだ気分で、こういう素朴さがなぜか贅沢な気がしてきます。
掲載: 2009/06/21
Data
  1. 所在地:福井県大野市上打波
  2. 入浴 :2008年8月
  3. 泉質 :ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉(中性等張性冷鉱泉)
  4. 泉温 :源泉22.5度
  5. 湧出量:毎分4リットル
  6. PH :6.7
  7. 蒸発残留物:4591mg/kg
  8. 形態 :鉱泉旅館 男女別
  9. 効能 :切り傷、やけど、あせも、水虫、神経痛、リュウマチなど
  10. 露天風呂:なし
  11. 開放度:☆
  12. 清潔度:☆☆
  13. 気軽度:☆
  14. 鄙び度:☆☆☆
  15. 秘湯度:☆☆☆☆
  16. 異色度:☆☆☆
  17. 景色 :☆☆
  18. 総合評価:☆☆☆