福井県
はなみずきおんせん・わたかけそう
花みずき温泉・若竹荘
陶芸のふるさとに湧く、穴場的なヌルヌル温泉
越前焼きのふるさととして知られる越前町は、福井県嶺北地方の西端にある海岸沿いの町です。越前ガニなどのグルメの地としても知られていますが、古くから焼き物の町としても発展していった歴史があります。その焼き物の歴史に触れることができるのが、越前陶芸村です。その陶芸村の近く、小高い丘の上に建つ温泉施設が「花みずき温泉」の若竹荘です。看板などはあるものの、わりとひっそりとした施設で、公共の施設っぽさを感じるゆったりとした造りの赤いレンガの建物です。中規模くらいの建物ですが、その静かな感じとゆったりとした感じが、なんとなく老人ホームのような印象を受けました。非常に静かで、本当に一般の人が温泉を利用できるのか不安になるほどです。館内に入ろうとすると、そこは郵便局のようです。というより、簡易郵便局になっているようで、はがきや切手が売っていたり、様々な郵便関係のポスターなどが貼ってあります。果たして温泉施設はあるのだろうかと不安になりますが、入浴を申し出ると快く迎えてくれました。館内に入るとすぐそこはロビーです。そして左側の廊下を進んでいくと日帰り入浴客用の休憩室があり、そして突き当りが浴場入口になっています。休憩室は常連らしき人たちがのんびりと寛いでいました。浴場の入口はちょっと狭くて、小さな民宿のお風呂の入口のようです。脱衣所に入ると小ぢんまりとしながらも鍵付きのロッカーが並びます。浴場も小ぢんまりとしたものですが、砂岩の石タイルの床で、御影石の洗い場が並び、そして窓側にはゆったりとした湯舟があります。非常に清潔的で気持ちのいい雰囲気です。洗い場にはボディソープとリンスインシャンプーまで用意されています。さっと体を流して湯舟に入りますが、ここでいきなり驚くのがその浴感です。非常にヌルヌルとする湯なのです。湯そのものがヌルヌルするのではなく、肌の表面がヌルヌルとして、スキンローションを塗りたくっているような感じです。肌の表面が解けてしまっているような気もします。見た目には、ごくごく微妙に白濁しているような気がする程度で、こんなにも個性的な湯とは思えないほどです。ここまでのヌルヌル度は福井県では珍しいのではないですかね。湯は角にある筒からトロトロとぬるめの湯が注がれていて、湯舟の中で循環加熱されているようです。注がれる湯は消毒臭がしましたが、同じくらいの量が湯舟からも溢れているので、けっこう多目に掛け流されているようです。湯舟からは中庭を通して、周囲の景色もよく見えます。高台の上にあるので、とても開放的な気分になりました。あまり知られていないのか、しっかりとした温泉施設のわりに、訪れる客がほとんど常連のみという印象です。土曜の昼下がりなのにほぼ貸切状態で利用できました。湯の質は抜群で、入浴料金も安め、しかも穴場的な雰囲気がたっぷりの超オススメの温泉施設です。
掲載: 2009/06/28
Data
- 所在地:福井県丹生郡越前町小曽原
- 入浴 :２００８年８月
- 泉質 :ナトリウム−炭酸水素塩泉(低張性弱アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉35.9度
- 湧出量:毎分151リットル
- ＰＨ :８．３
- 蒸発残留物:1.596g/kg
- 形態 :温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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