石川県

きょくすいおんせん・きょくすいえん

曲水温泉・曲水苑

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金沢の市街地から20〜30分ほど、周囲の景色はガラリと変わって緑豊かな山の中に日本秘湯を守る会の宿があります。山間の温泉地、湯涌温泉のすぐ下流にありますが、温泉街のようなものはなく、完全な一軒宿となっているようです。ちょうど訪れる直前に、集中豪雨のために一帯が激しい水害にあったこともあり、周辺の道路はメチャクチャで迂回に迂回を重ねてようやく到着することができました。前日は湯涌温泉に宿泊する予定だったですが、被災されて営業できない状態にあると断られ、金沢市内に宿泊したのでした。そんな状況でしたからこちらの様子も心配していたのですが、ホームページを見ても営業への影響は見当たらないようです。もしかしたらホームページを更新することもできないほどの壊滅状態なのかもしれませんが、とにかくダメもとで行ってみることにしました。しかし案の定、近づくにつれあちらこちらに水害の爪痕が生々しく残っています。そしてついには道路も通行止めです。しかし、通行止めの看板脇には「営業中　迂回路」の案内がありました。大きく迂回してクネクネと山道を行くことになりましたが、このルートの方が秘湯ムードが増して妙な期待感が湧きます。辿り着くとそこは川沿いではあるものの、高台になっているので被害はほとんどなかったようです。小ぢんまりとしている宿ですが、素朴でアットホーム的な雰囲気のいい宿という印象を受けました。手前側に宿があり、そこに隣接して「ゆ」の文字が揺れる浴舎がありました。地元の方の銭湯のような役割もあるようで、とても気軽に利用できそうな雰囲気がありました。日帰り入浴の際には直接浴舎に向かいます。中に入ると小さな休憩スペースがあり、受付と浴場入口がありました。自動券売機があるので、入浴券を購入してから入ります。脱衣所は鍵付きの木造ロッカーがありますが、どうやらガタが来ているようで、よく閉まりません。他に客もいないこともあり心配もなかったのでそのまま入りました。浴場は小ぢんまりとしたもので、四角い木造の風呂でした。湯は無色透明で、サラサラっとした湯です。少しぬる目のような気もします。ごく微妙にツルッとした湯です。脇からぬるい水が注がれていますが、これが源泉のようですね。ところが、湯口のところにゴミ箱が被せられていて、湯が湯舟の外へと流れていました。入浴客がいない間はぬるくなるのを防止しているのでしょうね。私が入ったら宿の人がゴミ箱をはずしに来ていました。口に含んでみると、しょっぱくて苦い味があります。海水のにがり分を濃くしたような味でした。けっこう変わった味ですね。こんな山の中なのに意外な味覚で驚きです。浴室のすぐ外側には露天風呂があります。こちらは岩風呂になっていて、小ぢんまりとしながらも非常に開放的な印象です。それというのも、高台の上に建っているので、崖から真下の川が一望できるのです。残念ながら増水の影響で濁流が流れていましたが、景色はすごくいいです。ロケーションはまさしく秘湯という雰囲気です。風も心地よくて本当に気分がよかったです。周辺の被災された方々は大変だと思いますが、復興作業の疲れは温泉で癒して早く元気になりましょう。

掲載: 2009/07/05

Data

1. 所在地:石川県金沢市七曲町
2. 源泉名:１号源泉
3. 入浴　:２００８年８月
4. 泉質 :ナトリウム・カルシウム−塩化物泉(弱アルカリ性高張性高温泉)
5. 泉温　:源泉46.7度
6. 湧出量:毎分81.3リットル
7. ＰＨ　:８．３
8. ラドン含有量:3.3ｘ10^-10Ci/kg
9. 形態　:温泉宿併設の公衆浴場　男女別
10. 効能　:神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性消化器症、冷え症など
11. 露天風呂:あり
12. 開放度:☆☆☆☆
13. 清潔度:☆☆
14. 気軽度:☆☆☆
15. 地元度:☆☆☆☆
16. 秘湯度:☆☆☆
17. 異色度:☆☆☆
18. 景色　:☆☆☆☆
19. 総合評価:☆☆☆☆