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奈良県

どろかわおんせん・きのくにや「じんぱち」

洞川温泉・紀の国屋「甚八」

創業300年の歴史と佇まいに優雅な趣きを感じる
洞川温泉は修験の山として知られる大峯山の登山口にある温泉地です。温泉としての歴史はまだまだ新しいものですが古くから宿場として栄え、今でも観光客や登山客で賑わう山の中の温泉地です。また土産物屋や食事処などもあり、それなりに活気ある温泉街となっていました。しかしながら古めかしい雰囲気が漂い、懐かしさや情緒のある街並みとなっています。古くから温泉街を形成していたこともあり、温泉街には老舗と呼ばれる古い宿がいくつかあり、この「紀の国屋甚八」も創業300年という超老舗の温泉旅館です。玄関を一歩入ると、「ここは資料館か?」と思わせるような古い調度品や古い修行者のリストなどが飾ってあったりと、何とも風情な雰囲気があります。浴場は1階のちょっと奥まったところにありました。館内の廊下も黒光りした板張りで、中途半端に上り下りする階段が、また何とも古さを感じさせてくれます。浴場は左右それぞれ計2つあり、大小の浴場となっているようです。小さい方は本当に小さく、昭和の中頃に作られたものだそうですが、最近になって備長炭を使用したお風呂に改装されたようです。右側の大きい浴場は半露天の浴場となっていて、この宿の自慢の庭も眺められる風情のある浴場です。ちなみにどちらの浴場も時間帯によっては貸切で利用することもできるようです。そういうわけで、風情のある大きい浴場へと向かいます。大きいといっても宿そのものが小規模なものなので、浴場もそれほど大きいわけではありません。脱衣所には棚があるだけで、こちらもシンプルというか質素でそれほど広くはありません。一角にはタヌキの置物などもあり、それなりに洒落っ気のある脱衣所でした。浴場に入ると、そこには中央にどーんと小判型の湯舟があります。湯舟があるところまでは屋根も天井もあるので内湯という感じですが、外側に壁はなく、そのまま庭園が見えるようになっています。まさに半露天という感じです。湯舟はコンクリートで囲ったような質素なタイプのものですが、大人が3名ほど入れる小ぢんまりとした大きさで、床一面に敷かれたスノコとのコントラストがなかなかいい雰囲気を醸しだしています。また、湯舟の傍らには鶴の銅像らしきものも立っています。何か意味があるのかも知れませんが、よくわかりませんでした。中庭はそれほど大きなものでも立派なものでもありませんが、湯舟に浸かったまま優雅な景色を楽しめるというのは気持ちいいものです。湯は無色透明で少しツルッとした浴感のある感触の良い湯です。癖があまりないので、非常に入りやすい温泉ではないでしょうか。洞川は名水の里としても有名で、名水と温泉の両方を味わえて得した気分になる温泉地だと感じました。
掲載: 2009/08/30
Data
  1. 所在地:奈良県吉野郡天川村大字洞川
  2. 源泉名:大峰山洞川温泉
  3. 入浴 :2008年8月
  4. 泉質 :単純温泉(アルカリ性単純温泉)
  5. 泉温 :源泉26.0度
  6. 形態 :観光旅館 男女別(時間帯により貸切)
  7. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
  8. 露天風呂:あり
  9. 開放度:☆☆
  10. 清潔度:☆☆☆
  11. 気軽度:☆☆
  12. 異色度:☆☆☆
  13. レトロ度:☆☆☆☆
  14. 景色 :☆☆☆
  15. 総合評価:☆☆☆