山梨県
くぼだいらおんせん・はなかげのゆ
窪平温泉・花かげの湯
素朴ながらもとても落ち着いた感じの地元型温泉施設
埼玉県の秩父から甲府へと続く国道140号線よりすぐ、牧丘町の窪平地区にある公共の温泉施設が「花かげの湯」です。笛吹川のすぐ近くにありますが、川べりというわけでもなく、また温泉施設というよりはモダンなスタイルで美術館のような雰囲気のある建物群です。温泉の建物はセレモニーホールのような公共施設に隣接して建てられていて、その陰に隠れるように温泉浴場の入口があります。この施設は平成7年(1995)に「牧の湯」という名でオープンした施設が、平成14年(2002)にリニューアルオープンしてできたものだそうです。コンクリート打ちっぱなしのシンプルなスタイルで、玄関の上には「窪平温泉保養施設」と書いてあります。とても素朴な雰囲気ですが、まだ新しさが感じられ初々しさも漂っています。館内に入ると土産物などが雑多に並び、そしてすぐに受付があります。受付の奥が浴場入口で、すぐ脇にはロビー、そして手前側の廊下を突き進むと広間の休憩室がありました。2階にも休憩室があるようですが、こちらは有料の個室休憩室のようです。脱衣場は鍵付きのスチールロッカーが並んでいます。わりと広くて沢山あるので、それなりの需要がある施設のようですね。浴場に入ると手前に掛かり湯があり、角には水風呂、そしてガラス窓際には大きな主浴槽があります。内壁側には洗い場が並んでいて、ボディソープとリンスインシャンプーも用意されていました。内湯はそれなりに広々とした感じで、広い湯舟には一部にジェットバスがついていて、また湯けむりがモウモウと立ち込めていました。体をサッと流してさっそく入ってみると、とてもサラサラとして抵抗の少ない軽い感じの湯でした。無色透明の湯ですが、多少の消毒臭はあるし循環装置付きの湯舟なので飲泉もすることができず、またそれ以外にもあまり特徴となるものはありませんでした。内湯の奥には露天風呂があります。露天風呂は内湯に比べて非常にぬるめとなっていました。内湯は41度ぐらいだったのに対して、露天は39度で設定されていると書かれていました。冬場はそれぞれ1度ずつ温度を上げるのだそうです。内湯でさっはり温まった後は、露天でじっくりと湯を楽しむのがいいでしょう。露天風呂は御影石の丸い石で囲われた岩風呂になっています。天井はあるのですが、窓が取り外されていて半露天風呂といった感じで開放感も十分にあります。わりと大きめの湯舟で、内壁側には洗い場もありました。しかし、洗い場の上には何やら妙な突起物が見えます。よく見るとそれは打たせ湯の筒のようなものでした。3つの打たせ湯の跡があり今は洗い場となっているので、もともと打たせ湯だったところを洗い場に改装したのでしょうね。露天の外側は白い玉砂利を敷いたミニチュアの庭があり、木のベンチも用意してありました。外の景色も立ち上がれば見えるのですが、特に眺めが素晴らしいというわけでもなく、あえて覗き込む必要もないでしょう。しかしながら露天風呂の雰囲気は悪くなく、素朴ながらも情緒があって満足できました。全体的にわりと小ぢんまりとした施設に感じましたが、休憩室も広いし料金も安いので、けっこう賑わう人気の温泉施設のようです。地元の人は料金が割引になるので、日常的に温泉を楽しめる地域密着型の温泉施設という印象を受けました。
掲載: 2009/10/11
Data
- 所在地:山梨県山梨市牧丘町窪平
- 入浴 :2008年10月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉49.9度
- 湧出量:毎分393リットル
- PH :9.4
- 蒸発残留物:0.3918g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索