埼玉県
なぐりおんせん・たいしょうかく
名栗温泉・大松閣
優雅にのんびり、緑豊かな自然を谷間から眺める
埼玉県飯能市の名栗地区は埼玉県の南部、東京都との県境にある山林地帯です。都心からも2時間ほどと近いわりに、緑豊かな自然に囲まれ、綺麗な渓流が流れ、川遊びやバーベキュー、ハイキングや登山など、四季を通じてアウトドアが楽しめる人気のスポットです。名栗温泉「大松閣」は名栗湖のすぐ南側、谷間に建つ老舗の和風旅館です。名栗温泉はラジウムを含む温泉として薬効高いことでも知られていますが、発見の歴史は古く、承久年間(1190-1199)に傷を負った鹿が湯浴みをしていたことで発見されたのだそうです。実に800年もの昔から利用されていたのですね。旅館が創業したのは明治末期頃のことだそうで、こちらも100年ほどの歴史があるそうです。宿はとても辺鄙な静かな場所にあり、宿に近づいていくと洒落た看板が目に付きます。谷間の道を登っていくと大きな鉄筋の宿が見えてきました。予想外に大きく立派な建物です。また、雰囲気もとても風情があり、とても高貴な印象を受けます。玄関を入ると女将が出迎え、また館内の調度品もとても優雅です。質素なイメージを持っていただけにとてもギャップがあり新鮮です。浴場は建物の5階にありました。男湯は「牽牛の湯」、女湯は「織姫の湯」とあります。脱衣所には番号が振られたカゴが棚に並び、一角には貴重品用の小さなボックスもあります。洗面台はヘアトニックから綿棒まで揃い、充実した印象です。浴場に入ると、内壁側に洗い場が並び、外側には湯舟があり、そして外側は大きなガラス窓に囲われていて、とても明るい印象です。赤茶色の石タイル敷きで、湯舟もゆったりとしていて、とても優雅な感じの浴室でした。また、手前側には小さな木造の湯舟もあります。湯は無色透明でサラッとしていて、わりと印象の薄い湯です。しかしながら、浴室の雰囲気もいいし、また窓からの景色が非常に優雅なので、何だかとてもリラックスした気分になります。窓の外は谷間から眺める緑豊かな山村の景色です。5階ということもあり、見晴らしもいいのですが、何よりもここがどこなのかわからなくなるほど郷愁溢れる景色に驚きます。また、小さいながらも露天風呂がありました。こちらは岩風呂となっています。男湯は山肌に近いところに露天があるので、それほど開放感があるわけでもないのですが、女湯は谷側にあるので開放的でゆったりとしたムードが楽しめるそうです。こちらでもゆっくり、そしてじっくりと楽しみたいものです。旅館の雰囲気は非常によく、是非ともまた利用したいと思わせる高貴な印象を受けました。都心からもほど近いところなので、週末にぷらっとのんびりと過ごしてみるのもいいでしょう。
掲載: 2009/10/24
Data
- 所在地:埼玉県飯能市大字下名栗
- 入浴 :2008年11月
- 泉質 :放射能泉
- 泉温 :源泉20〜25度
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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