埼玉県
わどうこうせん・ゆのやど わどう
和銅鉱泉・ゆの宿 和どう
和同開珎のふるさと、歴史ある老舗の宿
埼玉県秩父市の郊外、国道140号線沿いにポツンとある大きな和風旅館が、和銅鉱泉ゆの宿「和どう」です。「和銅」の名称は、このすぐ近くに日本最古の流通貨幣「和同開珎」の銅採掘地があるそうで、そこから名付けられているようです。歴史があるのはその名だけでなく、この鉱泉も古くから知られている名湯だそうで、秩父一帯の中で最も古くから親しまれていた由緒正しい温泉なのだそうです。一軒宿として頑張っていますが、とても立派で風情ある佇まいと高級感ある雰囲気で、寂れた気配はまったくありません。国道沿いに宿はありますが、坂道を下ったところに建物があるのでとても静かな印象です。すぐ裏手には荒川の支流、横瀬川が流れていてとても長閑なところでした。坂を下りて行くと建物が見えますが、駐車場は建物を抜けた裏側にあります。館内に入るとすぐフロントがあり、広々としたロビーがありました。ロビーは3階なので右手側のエレベータでひとつ下りた2階に浴場があります。浴場は岩風呂の「岩鏡」と檜風呂の「檜扇」があり、時間帯によって男女が入れ替わるそうです。今回は立ち寄りでの入浴のため、そのうちの檜扇に入りました。脱衣所は棚にカゴの並ぶシンプルなスタイルですが、洗面台には化粧水からヘアトニックまで、品揃え充実でさすが旅館の浴場って感じです。浴室に入ると正面に大きな湯舟があり、左手前側に洗い場が並んでいました。湯舟は檜の大きなもので、縁だけでなく底まで檜をつかった贅沢な仕様です。湯は無色透明であまり癖のない大人しい印象のさっぱり系ですが、檜の香りがプンっと漂い、とてもリラックスした気分になります。トロトロと流れる湯の音だけが響いているという感じでした。内湯のすぐ外側には露天風呂があります。こちらは岩タイルの大きな湯舟で、巨石をいくつか配した岩風呂調のものでした。木造の骨組みの屋根があり、塩ビの透明な波板で覆われているので、採光豊かで露天ならではの明るさがありながらも、雨天でも気楽に入浴できます。露天のすぐ外側は崖になっていて、目の前には横瀬川が流れていました。川幅はそれなりにあるのですが、サラサラと流れる浅瀬の清流で、とても爽やかな感じです。谷間を吹く風も爽やかで心地よく、露天の湯けむりを巻き上げてとても風情が出ていました。浴場は他に貸切風呂があったり、また、内湯や露天風呂もある客室があるなど、贅沢に湯舟を独占しながら楽しむこともできるようです。優雅にときを過ごして、おいしい料理と天然温泉で、のんびりと過ごしたいものです。
掲載: 2009/11/01
Data
- 所在地:埼玉県秩父市黒谷
- 入浴 :2008年12月
- 泉質 :メタほう酸泉
- 泉温 :源泉10.5度
- 湧出量:毎分3.5リットル
- PH :7.7
- 蒸発残留物:0.35g/kg
- 形態 :鉱泉旅館 男女別
- 効能 :病後回復期、疲労回復、健康増進など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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