大分県
おりとおんせん
折戸温泉
豪快に噴き出る黄金色のやわらかい温泉
深耶馬溪から少し離れた県道27号線沿いにある素朴な共同浴場が折戸温泉です。深い谷間の集落にさりげなくある小さな共同湯です。温泉の前には少し広くなったスペースがあり、そこにクルマを停めることができます。入口脇には大きく温泉分析表が掲げられていて、中に入ると番台がありました。おばあさんが横になってテレビを観ながら番をしているところがとっても長閑 に感じます。すぐ目の前に脱衣場の入口があり、右側が男湯で左側が女湯となっていました。暖簾をくぐるとそこが脱衣所なのですが、階段下のスペースに強引に作ったような狭苦しいところです。1人ずつ着替えるのがいいでしょう。そして浴場の扉を開けるとそこには小さな湯舟がひとつあるだけのこれまた質素なスタイルです。そして先ほどから聞こえていたボコッボコッという音が湯舟の脇の湯口からであることに驚きます。浴室の隅にパイプがニョキッと突き出ていて、そこから湯が注がれているのですが、ボコッボゴゴッという鈍く豪快な音とともに吹き出ているのです。まるで地中奥深くからマグマが噴き出るかのような激しさを感じます。見た印象だとものすごく熱いように感じますが、これがまた丁度いい温度で湧き出ています。湯は無色透明ですが、湯舟をみるとどうやら薄い黄色をしているようです。黄色というより黄金色ってイメージでしょうか。また、鼻先をくすぐるような軽〜いモール臭がします。牧草のような匂いとでも言うのでしょうか、ちっとも嫌な匂いではなくむしろとても心地よい軽やかな匂いです。さっそく掛け湯をして湯舟に浸かると、瞬間にツルッとした浴感があります。それにしても気持ちがいいです。温度がちょうどいいこともあって、ついついのんびりとしてしまいます。体に沁み込んでいくような感覚があり、疲れが癒されるような気がしてきます。そういえば先ほどまで肩と腰が痛かったのですが、ちっとも痛みを感じません。すっかりほぐれてしまったようですね。浴室内は蒸していることもあって、途中からは汗がどんどん吹き出してきます。たっぷりと汗をかいてあたたまったところで温泉を後にしました。週末の真昼間に訪れたのですが、他に誰も客がいなくてずっと貸切でした。わりと穴場的な存在なのかもしれませんね。自宅の近くにこんな温泉があったら、ハマるのだろうなと思いました。
掲載: 2009/10/31
Data
- 所在地:大分県中津市耶馬溪町大字深耶馬溪字折戸
- 入浴 :2008年12月
- 泉質 :単純温泉
- 泉温 :源泉44.8度
- 湧出量:毎分48リットル
- PH :8.4
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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