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熊本県

うちのまきおんせん・おおあそ

内牧温泉・大阿蘇

質素な感じが郷愁を誘う、とてもローカルな共同湯
内牧温泉、黒川に架かる宝泉橋のすぐ目の前にある共同浴場が大阿蘇です。大阿蘇なんて大それた名前のように感じますが、それには温泉開発におけるエピソードがこめられているのだそうです。説明によると、創業者が温泉を掘削したところ工事が難航したため、阿蘇山上神社に祈願してようやく湧出したのだそうです。山岳信仰の厚かったその時代ならではのネーミングですね。ここは公衆浴場となっていますが、これがまた鄙びとローカルなムードが絶妙なところです。非常に質素な建物で、民家の軒先かと思うような佇まいですが、大きく「大阿蘇」と書かれていて扉には「男」「女」の文字が見えます。早朝から夜間まで営業しているので、いつでも地元の方々がお風呂代わりに利用しているようです。中に入るとそこは脱衣所になっていますが、古びた棚に床、鄙びた雰囲気が時間の流れを感じされていてたまりませんね。入浴料は壁にある料金箱に各自で入れるシステムとなっていました。番台が常駐しているわけでもないので、とても大らかでいい雰囲気ですね。浴場は小ぢんまりとした湯舟がひとつあるだけの内湯です。赤茶色のタイル床で、5〜6名がゆったりと入れる大きさでした。とてもシンプルな浴室で、洗い場として壁際には水の蛇口があるだけで、湯は湯舟から直接汲んで利用します。ケロリンの桶が用意されていますが、シャンプーや石鹸などは用意されていないので、基本は持ち込みです。みんな、シャンプーやボディソープを入れたバスケットをぶら下げてやってきていました。湯舟へは壁際のパイプからジャンジャンと無色透明の湯が注がれています。湯舟からは豪快に溢れているので完全な掛け流しです。ザザーッと掛け湯して中に入ると、これまたちょうどいい温度です。少しぬる目かもしれません。サラッとした湯ですが、微妙に鉄分のような臭いを感じました。排水溝が少し赤茶けている気がするのも、この影響でしょうかね。冬場だったこともあり、最初は熱く感じた湯も次第とぬるく感じ、これではあまり温まらないかなぁと思っていましたが、浴後はポカポカとあたたかさが持続するのはやっぱり温泉ですね。素朴な温泉に素朴な共同浴場、いつまでも大切に残しておきたい文化だと感じました。
掲載: 2009/11/14
Data
  1. 所在地:熊本県阿蘇市内牧
  2. 源泉名:大阿蘇旅館
  3. 入浴 :2008年12月
  4. 泉質 :ナトリウム・マグネシウム−硫酸塩泉(中性 低張性 高温泉)
  5. 泉温 :源泉44.5度
  6. 湧出量:毎分98.5リットル
  7. 掘削深度:149メートル
  8. PH :6.8
  9. 蒸発残留物:1717.1mg/kg
  10. ラドン含有量:6.06x10-10キュリーラドン/リットル
  11. 形態 :公衆浴場 男女別
  12. 効能 :慢性関節リューマチ、慢性筋肉リューマチ、神経痛、神経炎など
  13. 露天風呂:なし
  14. 開放度:☆
  15. 清潔度:☆☆
  16. 気軽度:☆☆☆☆
  17. 地元度:☆☆☆☆☆
  18. 鄙び度:☆☆☆
  19. 素朴度:☆☆☆☆☆
  20. 異色度:☆☆☆
  21. 景色 :☆
  22. 総合評価:☆☆☆