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長崎県

おおむらおんせん・こうらくのゆ

大村温泉・幸楽の湯

長閑な谷間に佇む小さな温泉施設
1月1日、元旦の長崎は華雪の舞うとても寒い朝でした。ふわふわと文字通り花吹雪のように乱舞する様は真冬の美しさを表していました。凍えた体を温めようと向かったのは、大村湾から山道を登っていった先にある大村温泉「幸楽の湯」という日帰り温泉施設です。平成18年(2006)にオープンしたばかりのとても新しい温泉施設です。谷間を覗き込むように作られた小さな浴場ですが、比較的温泉資源の乏しい長崎県では気軽に天然温泉を味わえるという貴重な存在です。山の斜面に強引に作られた駐車場にはクルマがまだ1台しかありません。これはもしやほぼ貸切状態かとワクワクしながら館内へと向かいます。元旦の午前中は狙い目なのかもしれません。古民家風のデザインで、新年一発目の入浴を飾るには手ごろな感じの浴場です。段差のない玄関で履物を脱ぎ、自動券売機で入浴券を購入します。家族風呂もいくつかあるようですが、この様子なら大浴場も貸切同然でしょう。脱衣所には棚とカゴ、そしてコイン返却式のロッカーがありました。けっこうシンプルですが、清潔感もあってなかなかいい印象です。浴場はオーソドックスなタイル張りですが、小ぢんまりとしつつも落ち着いた感じがあります。外観からしてもあまり大きい施設には見えなかったのですが、予想していたよりも広々とした印象を受けました。すぐ正面にはボディソープ、リンスインシャンプーの用意してある洗い場があり、8名ぐらいがゆったりと入れる大き目の湯舟、そして高温サウナと小さな水風呂がありました。案の定、先客は1名のみでほぼ貸切気分です。これならゆっくりできそうですね。谷側は大きなガラス窓になっていて、雑木林と民家、そしてなだらかな山肌と広い空が見えました。覗き込むと谷底には小川も見えます。これといって大したことのないつまらない景色ですが、のんびりとした和みの景色といえば褒めすぎでしょうかね。早く温泉に浸かりたいという逸る気持ちを抑えながら、ザザザーッと体を流して湯舟に身を沈めます。凍えた手足がジーンと痺れる感覚がとても心地よいです。思わず、うぅ〜っと唸ってしまいます。無色透明の大人しい印象の湯ですが、サラサラとしてとても気持ちがいいです。湯舟では循環されているようですが、ザザーッと大量に溢れ出ているので、半掛け流し状態のようです。若干の消毒臭が感じられるものの、滑らかでキメ細かい感じで、刺激の少ない優しい湯という印象を受けました。小規模ですが、一角には露天風呂もありました。岩風呂調の小さな湯舟で、おまけみたいなものです。体もすっかり温まり、そっと頬を撫でていく谷間を吹き抜ける冷たい空気が無性に心地よく感じます。雪景色にはなっていませんが、時折舞う白い華もまた、心を和ませてくれます。じっくりと時間の経過を楽しみながら元旦の温泉を楽しみました。建物は細長い奥行きのある作りになっていて、廊下の先には休憩室もあります。浴後ものんびりと寛ぐことができました。施設を出ると、いつの間にか雪も止み、青空が広がっていました。2009年の幕開けはこうして始まったでした。
掲載: 2009/11/23
Data
  1. 所在地:長崎県大村市平町
  2. 源泉名:幸楽の湯
  3. 入浴 :2009年1月
  4. 泉質 :冷鉱泉(低張性−弱アルカリ性−冷鉱泉)
  5. 泉温 :源泉21.7度
  6. 湧出量:毎分80リットル
  7. PH :7.8
  8. 蒸発残留物:0.158g/kg
  9. 形態 :公衆浴場 男女別 (家族風呂あり)
  10. 露天風呂:あり
  11. 開放度:☆☆☆
  12. 清潔度:☆☆☆☆
  13. 気軽度:☆☆☆☆
  14. 素朴度:☆☆☆
  15. 景色 :☆☆☆
  16. 総合評価:☆☆☆