群馬県
おいがみおんせん・きかくりょかん
老神温泉・亀鶴旅館
プチ渋系の地味でホットでアットホームな旅館
関越自動車道、沼田インターから尾瀬や日光へと抜ける国道120号線を登っていくと、やがてクネクネと急なカーブの続く山道になってきます。インターから30分ほど走り、ようやく山道から抜け出ると「老神温泉」という看板が見えてきます。国道から逸れて山間の田園地帯を進んでいくと地味で素朴な温泉街に辿りつきます。亀鶴旅館は温泉街の一角にある小さな温泉旅館です。けっこう年季の入った小さな旅館で、リーズナブルに旅を楽しみたい方におススメの穴場宿です。料金が安いというだけでなく、とってもアットホームで気兼ねなく利用でき、それでいて融通の利く嬉しい旅館です。施設はそれなりに老朽化していて、お世辞にも綺麗とは言えない造りですが、だからといって陰気臭いわけでも清掃が行き届いていないわけでもなく、むしろ親戚の家にでも遊びにきたかのような懐かしさの漂う宿でした。浴場は玄関から入ってすぐ、廊下の突き当たり左側にあります。歩くたびにミシミシと軋む廊下を歩くと、傍らには熊の剥製が出迎えてくれます。浴場は男湯と女湯があるようですが、引き戸の入口はひとつしかありません。どうなっているのかなと不思議に思いながら開けてみると、なんてことはなく右側を開けると男湯で、左側を開けると女湯になっているのでした。しかも、男女を隔てる壁はベニヤ板で補強した質素なタイプで、脱衣所もとても狭いものでした。ちなみに、それぞれの浴場は札をかければ貸切で利用することも可能なようです。そんなわけでまずは男湯に入りました。浴場は意外にも広く、わりと大きな湯舟があります。小さなタイルが敷き詰められた昔ながらの浴場で、浴室の角に逆L字型の湯舟があります。湯舟の奥側は浅くなっていて、半身浴にもよさそうです。洗い場は入口脇にありますが、両脇1ケ所ずつしかありません。先客がいる場合には交替で利用することになるでしょう。浴場内はいたってシンプルですが、壁には大きな鶴のモザイク画があったり、ところどころに亀のオブジェがあったりと、亀鶴旅館の名に相応 しい洒落た工夫がなされていました。湯は無色透明のサラサラとした湯で、少し熱めのさっぱり系です。ほんのりと硫化水素の臭いも漂い、非常に優雅な気分に浸れます。湯口から注がれる湯はけっこう高温で、加水、加熱、循環、添加物なしの掛け流しになっているそうです。なるほど湯口の周辺ではしっかりとした硫化水素の臭いも感じます。熱いように感じる湯も、慣れてしまうとそうでもなく、非常にのんびりと浸かることができました。さて、気になるもうひとつの浴場ですが、こちらはかなり狭いです。男湯よりは少しモダンなスタイルの岩風呂調の湯舟ですが、狭くて少し暗いのが気になります。男湯はガラス窓も大きく、外から見えるのではないかという感じがするほど開放感もありましたが、こちらの開放感はほとんどゼロです。でも、小さな湯舟を独占して利用するなら快適でしょう。浴場を出ると脇には湯たんぽが用意されていました。冬場だったこともあり、これはなかなか嬉しいサービスですね。でも、温泉で体もポカポカで湯たんぽも要らないぐらい温まりました。
掲載: 2009/11/29
Data
- 所在地:群馬県沼田市利根町老神
- 源泉名:老神温泉(7号泉)
- 入浴 :2009年2月
- 泉質 :単純温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
- 泉温 :源泉59.1度
- PH :8.5
- 蒸発残留物:0.51g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別、混浴・貸切
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索