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栃木県

あらゆおんせん・ゆそうしらかば

新湯温泉・湯荘白樺

まるで素朴な湯治場のようなぬくもりを感じる
新湯温泉は塩原温泉郷のひとつで、古町温泉などのある中心地からは離れた山の中にある静かな温泉地です。新湯という名前ですが、300年以上の歴史がある老舗の温泉地です。塩原温泉発祥の地といわれる元湯温泉が元禄8年(1695)の山津波で被災した際に湧き出たことから新湯と呼ばれるようになったそうです。「湯荘白樺」はもみじライン沿いに建つ温泉宿です。白壁の素朴な宿ですが、風情ある湯が自慢の宿です。日帰りの入浴も積極的に行っているので、気軽に立ち寄ることができます。スキーシーズンなどは凍えた体をあたために立ち寄ってみるのもいいでしょう。玄関は二重扉になっています。いかにも雪深いところという感じの造りですね。館内はちょっと複雑な形をしていて、浴場はフロントロビーから階段で2階にあがり、さらに廊下を進んだ奥に浴場があります。山の斜面に建てられているので、このような複雑な形になっているようです。浴場は男女別の内湯と混浴の露天風呂があります。内湯と露天風呂は少し離れたところにあるので、そのまま裸で行き来はできません。まずは内湯に入りました。こちらは簡素な脱衣所と、小さな内湯です。浴室に入ると雰囲気がガラッと変わって、東北の湯治場を思わせる木造の古めかしい造りです。床も壁も湯舟も全部、こげ茶色の木材で造られていて、とても素朴ながらも湯治場情緒を感じさせてくれます。湯舟は2メートル四方ぐらいの小さなものですが、そこには真っ白な湯がなみなみと溢れています。浴室全体に漂うスッパイような温泉の香りもまた格別です。注がれる湯はかなりの高温のようで、注ぎ口には木の栓がしてあり、零れ漏れるようにしてチョロチョロと湯舟へと注いでいました。飲泉用のコップが用意されているのでさっそく飲んでみると、しっかりとした酸味と微妙な苦味を感じます。風味のないワインのようなすっぱさです。湯舟の湯は透明度は15センチほどでしょうか、かなり濃厚な感じです。非常に細かな粒子が漂っているような濁り方です。浴室はけっこう狭いので、常に換気扇がまわっています。火山ガスが溜まるのを防ぐためでしょう。いかにも天然温泉って感じがしますね。ちなみに源泉は男湯のすぐ横にあるようです。窓ガラスからは裏に(ほこら)が建っているのが見えました。浴室の隅には泥の入った桶が用意されています。源泉から出る温泉の泥だそうです。泥を体に塗って3分以上滲みこませてから体を流すように書かれていました。天然の泥パックですね。まさに湯治場という印象を受けました。つづいて露天風呂へと向かいます。こちらは浴場入口のすぐ目の前に出入口がありますが、こちらは男性用で、女性用は廊下の反対側にあります。湯舟は混浴なので脱衣所だけが男女別になっているようです。脱衣場は簡素な壁と棚だけのものが、湯舟のすぐ脇にあります。湯舟は大小2つの湯舟が並んでいて瓢箪のようなかたちをしています。衝立のような壁で遮られていますが、男女でわかれているわけではなさそうです。手前側の大きい方は源泉が注ぎ込まれ熱いのですが、奥の小さい方はその上澄みだけが流れ込むようで、少しぬるめになっているようでした。湯は内湯と同じように綺麗に白濁した湯です。宿の中庭のような場所に露天があるので、周囲は建物に囲まれていて景色を眺めることはできませんが、なかなか雰囲気のいい露天です。客室からも丸見えって感じでとても大らかな感じがありました。ちなみに女性専用タイムもあるようなので、混浴に抵抗がある女性でも楽しめそうです。肌が少しキシキシするような湯ですが、意外に滑らかで、またとても保温効果のある湯でした。スキー場も近いので、冬場はウインターレジャーの拠点として利用してみるのもいいでしょう。
掲載: 2009/12/20
Data
  1. 所在地:栃木県那須塩原市湯本塩原
  2. 源泉名:共同噴気泉(奥塩原新湯 中の湯)
  3. 入浴 :2009年3月
  4. 泉質 :単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)
  5. 泉温 :源泉79.2度
  6. PH :2.6
  7. 蒸発残留物:440mg/kg
  8. 形態 :温泉旅館 男女別・混浴
  9. 効能 :きりきず、慢性皮膚病、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症など
  10. 露天風呂:あり
  11. 開放度:☆☆☆
  12. 清潔度:☆☆
  13. 気軽度:☆☆
  14. 秘湯度:☆☆☆
  15. 素朴度:☆☆☆☆
  16. 異色度:☆☆☆
  17. 湯治度:☆☆☆☆
  18. 景色 :☆☆
  19. 総合評価:☆☆☆☆