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群馬県

くさつおんせん・こぶしのゆ

草津温泉・こぶしの湯

湯けむりが目にしみる素朴な共同湯
草津温泉は日本を代表する温泉地としてとても有名な観光温泉地です。温泉街は湯ノ華の採取場である「湯畑」を中心に湯宿や土産物屋などが建ち並び、年間を通して観光客の耐えない人気のスポットです。それもそのはず、豊富な湯量は全国屈指で、温泉街のいたるところから湯けむりが立ち上がり、また古くからの湯治場ムードも残る、情緒豊かな街並みが観光客を楽しませてくれています。また、観光客だけでなく地域の方々もいつも温泉を身近に感じています。観光温泉地の場合、旅館業に携わる人しか温泉に触れていないようなところもありますが、草津温泉はまさに地域に密着した温泉地なのです。それを象徴するように温泉街には18もの共同浴場があります。これらの共同浴場は地元の方々のお風呂という存在ですが、観光客にも解放されているのがとても魅力的です。その中のひとつ「こぶしの湯」は、温泉街の一番東側に位置する素朴な共同湯です。国道292号泉沿いにありますが、とても小さく民家に溶け込むようにして建っているので、あまり目立たない存在です。共同湯の中ではもっとも歴史の浅い施設で、地域の方々が懇願して建設に至ったという経緯があるそうです。浴舎は木造の簡素な建物で、右側が男湯、左側が女湯になっています。浴舎の入口に暖簾が揺れていて、扉を開けると下足箱、そしてもうひとつ扉を開けると脱衣所があります。脱衣所は同時に3名ほどが着替えるといっぱいかなという感じの狭いものです。簡易的な棚があるだけで、地味な雰囲気が何とも言えません。脱衣所の隅には小さな募金箱がありました。共同湯は無料で開放されているので入浴料は必要ありませんが、ポケットの小銭などを入れて感謝の意を表しておきましょう。ガラス戸の奥に浴場があります。湯舟がひとつと洗い場のスペースがあるだけのシンプルなスタイルで、こちらの湯舟も大人が3名ほどでいっぱいの小ぢんまりとしたものでした。床はコンクリート床ですが、温泉の成分の影響でしょうか、ちょっとツルッとした感覚があり滑りやすいようですので気をつけましょう。湯は脇のパイプからバシャバシャと大量に注がれ、そのまま湯舟から豪快に溢れ出ています。微妙にエメラルドグリーンっぽく白濁したほぼ透明の湯ですが、鼻を突くようなスッパイ臭いがたちこめ、存在感たっぷりの個性的な湯です。けっこう熱めの湯ですが、非常にさっぱりとした熱さなので、掛け湯で体を慣らしてから入りましょう。肌に浸透していくようなしっとりとした感触の湯で、微妙にピリピリと刺激を感じるような気がします。お湯を舐めてみると、まるでレモンでも(かじ)っているような強烈な酸味があります。お湯が熱いのでそれほど長湯はできませんが、暫くすると手のひらがふやけてきます。体が温まり、皮膚も引き締まった気がします。こんな個性的なお湯を普段から楽しめるのは何とも羨ましいものですね。ちなみに午後から夜にかけての一部の時間帯は、地域の方々の専用タイムとなっているので観光客は遠慮しましょう。共同湯はお湯を借りるという気持ちで、マナーと慎ましさを持って利用しましょう。
掲載: 2010/01/23
Data
  1. 所在地:群馬県吾妻郡草津町
  2. 源泉名:万代鉱
  3. 入浴 :2009年4月
  4. 泉質 :酸性−塩化物・硫酸塩温泉(酸性低張性高温泉)
  5. 泉温 :源泉94.6度
  6. PH :1.7
  7. 形態 :共同浴場 男女別
  8. 露天風呂:なし
  9. 開放度:☆
  10. 清潔度:☆☆
  11. 気軽度:☆☆☆
  12. 地元度:☆☆☆☆☆
  13. 素朴度:☆☆☆☆
  14. 景色 :☆
  15. 総合評価:☆☆☆☆