北海道
ちはせがわおんせん・ちはせがわおんせんりょかん
千走川温泉・ちはせ川温泉旅館
賀老の滝を散策して、汗と疲れを温泉で流そう
北海道の道南、島牧村には日本の滝百選に登録されている「賀老の滝」という名瀑があります。賀老の滝は落差が70メートル、幅が35メートルというダイナミックな滝で、その姿を間近で見るととても圧巻です。けっこう山の深いところに滝があるのですが、徒歩30分ぐらいのところに駐車場があるので、本格的な登山用具を持っていなくても気軽に見に行けるのも嬉しいですね。その駐車場へのアクセスの途中、島牧の海岸線からだと6キロほど入ったところに「ちはせ川温泉旅館」があります。滝見物で大汗をかいた後に、立ち寄ってさっぱりとするという人も多いことでしょう。旅館ですが気軽に日帰り入浴も受け付けてくれるのが嬉しいですね。宿は山の中にポツンとありますが、通り沿いなので迷うことはないでしょう。広めの駐車場があり、そこに素朴だけども綺麗な宿がありました。玄関を入ると正面に浴場があります。浴場の入口はひとつだけですが、その中を入ると左右に男女別の浴場入口があります。脱衣所には棚にカゴが用意されているだけの非常にシンプルなスタイルです。広くはありませんがそれほど大きな宿ではないので十分なスペースと言えるでしょう。浴室の扉を開けると小さな内湯があるのですが、これがまた山間の鄙びた湯治宿を彷彿させるような、見事な光景が広がっています。壁際に洗い場がいくつかあり、男女を仕切る内壁側に湯舟があるのですが、その湯舟には黄銅色に濁った湯が溢れています。透明度は40センチほどでしょうか、底は見えないくらいでした。湯舟の底からボコッボコッと気泡とともに湯が注がれているようです。足元を探ってみると、ホースのようなものがありました。ここから湯が注がれているのでしょうね。そしてそのまま溢れ出ているのですが、湯の流れた跡が派手な赤茶色に染まっていて、この温泉がいかに濃厚であるかというのを物語っていました。浴室は決して古くはないのでしょうが、木造で温泉情緒をかきたてるような素朴な佇まいと、湯舟周辺の変色した床など、鄙びを感じさせる和みの空間となっていました。湯は少し熱いと感じるくらいの温度で、サラッとしながらもしっとりとした印象の湯です。たま、炭酸泉特有の香りと鉄分の臭いもありました。そして外側には小さいながらも露天風呂があります。こちらも内湯と同じく、濃厚な源泉が掛け流しで利用されています。露天のすぐ外側は森になっていて、森の爽やかな空気を楽しみながら入浴ができました。夏場の日中ということもあり、大きな虻 が数匹うろついていましたが、とにかくこの開放的なロケーションは嬉しいかぎりです。小さな旅館ですが、滝や登山の拠点として、また素朴ながらも贅沢な山の幸が味わえる宿としても知られているようで、けっこう人気のある旅館のようです。今回は立ち寄りでしたが、宿泊してのんびりと湯治気分で過ごしてみたいと思う宿でした。
掲載: 2010/04/03
Data
- 所在地:北海道島牧郡島牧村字江ノ島
- 入浴 :2009年8月
- 泉質 :ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(中性低張性温泉)
- 泉温 :源泉39.2度
- 湧出量:毎分27リットル
- PH :6.5
- 蒸発残留物:3.517g/kg
- ラドン含有量:0.720マッヘ単位/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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