北海道
こしかわおんせん
越川温泉
地域の有志に守られ愛される、素朴な手作り温泉
知床半島の根元付近、国道244号線沿いにポツンとある温泉施設が越川温泉です。ポツンとあるといっても通り沿いには看板もなく、何も知らなければただ通り過ぎてしまうことでしょう。いや、知らなければ偶然見つけるなんてことはないでしょう。北海道の道路はまっすぐで走りやすく、みんなスピードを出しているので、知っていても注意していないと通り過ぎてしまいそうです。目印としてはすぐ近くに旧国鉄のアーチ橋跡があることと、国道沿いに白いドラム缶があるぐらいでしょうか。国道からドラム缶の脇を抜けて入っていくと、すぐ浴舎が見えてきます。浴舎は非常に質素なもので、いかにも手作りという雰囲気がありました。しかしながら建物の前には立派な「越川温泉」とかかれた立派な看板もありました。駐車スペースは非常に広くて、たっぷりあります。浴舎入口には夜は9時までと書かれています。始まりの時間は書いていないところを見ると、明るくなればいいのですかね。中に入ると入口脇に大きなドラム缶があり、そこが料金箱となっていました。管理人は不在で利用者が各自で料金を入れるシステムとなっていました。中は予想外に広く、そしてそこがロビーというか休憩スペースになっています。そこにはソファが沢山並んでいて、ローカルな雰囲気がありました。また、ところどころ床が温かい気がするのですが、温泉熱による床暖房なのでしょうか。また、壁には沢山の貼紙があります。町内のお知らせや温泉の分析表、また、NHKの「ふだん着の温泉」で紹介されたことなど、話題も様々です。ロビー内には照明もあるのですが、小屋まで電気は着ていないようです。どうやって使うのかと思ったら、外壁にブースターケーブルがぶら下っていました。このケーブルをクルマのバッテリー等につないで利用するのかもしれません。浴場はこの奥にあります。浴場入口前に男女別に脱衣所がありました。非常に狭い脱衣場で、大人が2人でいっぱいという感じです。簡素な棚にカゴがいくつか用意されているだけでした。先客がいる場合などは狭いので順番で利用することになりそうです。浴室はこれもまた質素な壁で囲われた野趣的なスタイルです。しっかりと男女別に浴室が用意されているのは意外でした。湯舟はコンクリートで整備されただけの素朴なもので、奥のパイプから湯と水がドボドボと注がれています。湯はもちろん温泉ですが、水は沢水だそうです。源泉が熱いので加水して調整しているようです。男湯は通り側にあるので、透明のガラス窓から外が見えます。逆に外からも中が見えるので、何だかとても大らかな気分です。湯は大量に溢れ出してそのまま排水されているようです。ほんのり濁った感じの湯で、肌がツルッとした感触のいい湯です。コップが用意されているところみると飲泉もできるのでしょうか。ちょっと口に含んでみると、後味の悪い苦味があります。とても飲めたものではありませんでした。それにしても雰囲気が素朴でいいです。有志たちでしっかりと守られ、管理されているという印象があり、とても気分よく、そしてありがたく利用させていただきました。
掲載: 2010/04/25
Data
- 所在地:北海道斜里郡斜里町越川
- 入浴 :2009年8月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
- 泉温 :源泉50.9度
- PH :7.0
- 蒸発残留物:7.094g/kg
- 形態 :共同浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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