静岡県
いずさんおんせん・はしりゆ
伊豆山温泉・走り湯
1300年の歴史ある洞窟の中の温泉
老舗温泉旅館「中田屋」のすぐ裏にある温泉史跡が「走り湯」です。中田屋に隠れるようにしてひっそりと佇んでいますが、訪れる人が絶えない観光スポットにもなっています。熱海ビーチライン沿いにあるのですが、ビーチラインからは直接行くことができません。国道側から細くて急な坂道を下りていったところにあります。走り湯はおよそ1300年ほど前に発見されたという歴史ある源泉です。役行者が修験場としていたことから山岳信仰として知られるようになったそうです。その後も源頼朝や北条政子も入湯するなど、名湯として歴史に名を刻んできました。現在でもその源泉が史跡として、隠れた観光名所となっています。源泉というと、井戸のように竪穴式のものが一般的ですが、ここは横穴式という珍しいタイプのものです。洞窟状になっていて、大人が屈んで入るぐらいの大きさの間口で、歴史の重みを視覚的にも感じさせてくれます。まるで文化財級の重厚な印象を受ける洞窟です。文化財級というより、すでに重要文化財になっているようで、温泉施設というよりは温泉史跡なんですね。入口を入るとそこから数メートルほど洞窟が続きますが、ものすごい熱気を感じます。奥から流れ出た湯が溝を通って流れていますが、そこからも熱気が出ているようです。流れている湯も65度以上あり、とても触れるものではありません。奥に辿り着くと長方形をした穴があり、そこからボコボコと激しい音を立てて湯が沸いていました。近づいただけでも熱気が凄く、洞窟内は蒸し風呂状態です。1分と経たないうちに汗だくになるほど強烈です。その先にも洞窟は続いているようですが、柵があって奥へは進めません。そんなに広くはなさそうなので、すぐに行き止まりかもしれませんが、詳細は不明です。この走り湯については、目の前の「中田屋」の一角に資料室のようなものを設けてあり、自由に見学することができるようです。かつては入浴施設になって賑わっていたようですが、こんな熱湯にどうやって入ったのでしょう? 加水する設備でもあったのでしょうかね。実際にこの場で入浴することはできませんが、観光名所として一度は見学しておきたい史跡ですね。
掲載: 2010/05/23
Data
- 所在地:静岡県熱海市伊豆山
- 源泉名:走り湯・第2走り湯の混合泉
- 見学 :2009年9月
- 泉質 :カルシウム・ナトリウム-塩化物泉
- 泉温 :源泉62.1度
- PH :7.2
- 形態 :温泉史跡 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 脱衣所:なし(入浴施設なし)
- 開放度:☆
- 清潔度:☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- レトロ度:☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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