神奈川県
ごうらおんせん・けやきそう
強羅温泉・けやき荘
熱い湯とぬるい湯、2つの源泉を同時に楽しめる
箱根強羅温泉は、箱根温泉郷の中でも人気で格式の高い温泉地のひとつです。かつては政財界や著名人の別荘が多く建ち、高級温泉地として知られていたそうです。また、急な坂道の途中に何軒もの宿が並び、ちょっと独特な雰囲気があるのが特徴的です。けやき荘はその中でも高い位置にあり、抜群の景色の良さで定評のある温泉宿だそうです。さっそく訪れてみると、玄関へと向かう石階段は重厚で、入口からして厳格な雰囲気がありました。宿の入口近くまでくると女中さんたちが手厚く迎えてくれ、なんだか場違いなところに来てしまったのかという気分にもなりました。浴場は館内入って右奥にあります。男女別に大浴場がありますが、ここでの人気は貸切風呂のようです。自慢の庭園の中にある5つの個室貸切露天風呂があるのだそうです。貸切露天は料金が高いので、今回は大浴場に入りました。脱衣所は棚にカゴが並び、反対側に洗面台があり、そして2枚の温泉分析表が掲げられているだけのシンプルなスタイルです。けっこう広めになっていて、シンプルというより質素な感じです。浴場に入ると、大浴場とはいいながらも中規模くらいのやや小ぢんまりとした浴場です。外側に洗い場が8つ並んで、男女を仕切る壁際に大小2つの湯舟が並んでいました。ガラス窓が低い位置にあり、外の緑を眺めることもでき、また天井も高いので小ぢんまりとしながらも優雅な雰囲気がありました。床は天然石のタイルになっていて、湯舟は石垣があって岩風呂風になっています。湯舟は大きい方が熱めで小さい方がぬる目となっています。ぬるい方で40度ほど、熱い方でも42〜43度ほどでした。単に温度が違うだけなのかと思いましたが、実はこれは源泉がそれぞれ違うようです。脱衣所に2つの温泉分析表が並んで掲げられていたのはそのためだったのですね。どちらの湯も透き通るような無色透明の湯です。石垣の隙間から湯がトロトロと注がれていて、それぞれ飲んでみると熱い方がやや鉱物臭が強い感じがある意外はそれほど気になる特徴はありませんでした。しかしながら、ツルッとした浴感と清涼感のある湯という印象を受けました。それから館内には足湯施設もあります。庭園を眺めながら、そしてお喋りでも楽しみながらのんびりとリラックスできそうです。それにしても、高貴な雰囲気の宿ながらも素朴さのある温泉浴場がとても気に入りました。見かけだけの温泉よりはこうして本物の温泉が楽しめるというのが、何よりの贅沢ですよね。
掲載: 2010/05/22
Data
- 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅
- 源泉名:(A)宮城野 第132、133号 混合泉
(B)宮城野 第88、第126、第130号混合 - 入浴 :2009年9月
- 泉質 :(A)単純硫黄泉、(B)ナトリウム-塩化物泉
- 泉温 :(A)源泉58.6度、(B)源泉71.6度
- PH :(A)6.9、(B)7.3
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :(A)慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病、高血圧症など
(B)きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童など - 露天風呂:あり(貸切露天)
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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