宮城県
さくなみおんせん・かたくりのやど
作並温泉・かたくりの宿
ツルッとした滑らかな湯を源泉掛け流しにこだわる贅沢な宿
作並温泉は仙台から山形へと抜ける国道48号線沿い、青葉区作並にある山間の温泉地です。いくつかの温泉宿が建ち並び、いわゆる温泉街を形成していますが、あまり歓楽的な要素のない静かな温泉地です。「かたくりの宿」は、「湯の駅ラサンタ」の手前にある源泉掛け流しがウリの温泉旅館です。鉄筋三階建ての旅館で、ちょっとモダンなユニークなつくりをした宿でした。館内に入ると小さいながらも優雅なラウンジがあり、浴場はそのラウンジを抜けた左奥にありました。浴場は手前が女湯、奥が男湯の入口ですが、その間には小上がりになった休憩所もありました。なかなか洒落た雰囲気があって、この先がとても気になるつくりです。扉をあけると、そこにスリッパを脱いで脱衣所にあがります。脱衣所は小ぢんまりとしていて、棚にカゴが並んだシンプルなスタイルですが、とても綺麗で清潔的な印象を受けました。カゴにはそれぞれイラスト入りの番号札があって、そのイラストが何ともファンシーなもので愉快です。さっそく浴場に入ると、こちらは手前側に洗い場が３つ、そして窓側に湯舟がある小ぢんまりとしたものです。窓ガラスが大きいので非常に明るく、思った以上に狭苦しさは感じません。宿の規模にしては小さい気もしますが、幸い誰も先客がいなかったのでノビノビと浸かることができました。湯は無色透明ながらもツルッとした浴感のある柔らかな印象の湯です。けっこう熱めの湯がトロトロと注がれていますが、湯舟の底にも湯の注ぎ口があります。掛け流しといいながらも循環しているのかと最初は疑いましたが、外気温によって源泉の投入口を上と下とで使い分けて、湯舟の温度を調整しているようです。湯舟の一角には溢れ出た湯がそのまま外の排水溝へと流れ込んでいて、掛け流しであることをアピールしているように感じました。続いて露天風呂へと出てみます。外へ出る扉を開けると、露天風呂の奥というか先にもガラス扉があって、その先に洗い場があるのが見えます。「あれっ、向こうにも洗い場があるということは、女湯ともつながっていて混浴なのか？」と焦りましたが、よく考えてみると女湯とは方角がまったく逆なのでありえません。別の浴場があるのかと中を覗き込むと、そこは洗い場だけで湯舟はなく、その先には脱衣所が見えました。どんな造りになっているんだと不思議に感じましたが、実は脱衣所の入口のところが左右にわかれていて、右側は内湯のある脱衣所、左側は直接露天風呂へと続く脱衣所になっているのでした。よく見ていなかったので私が気付かなかっただけですね。さて、そして露天風呂はどうかというと、これがまた内湯に比べて広々とし、とても雰囲気がいいものです。逆Ｌ字型の湯舟になっていて、全体が屋根に覆われたものになっています。けっこうモダンなスタイルとなっていて、とても優雅な気分に浸れる露天風呂でした。こちらもしっかりと湯は掛け流されているようで、排水溝へと流れる湯が印象的でした。わりと癖のないように感じる湯ですが、けっこう温熱効果が強く、いつまでもポカポカと心地よい湯でした。ちなみに食事は釜で炊いた美味しいごはんが自慢で、お米の質もいいのだろうけど、おかずなしでご飯だけでも食べられるほど旨みがあって、ついつい食べ過ぎてしまうような食事でした。温泉も食事もともにぬくもりを感じる安らぎの宿という印象を受けました。
掲載: 2010/07/17
Data
- 所在地:宮城県仙台市青葉区作並字元木
- 源泉名:佐蔵の湯
- 入浴 :２００９年１０月
- 泉質 :単純温泉 低張性弱アルカリ性高温泉
- 泉温 :源泉42.7度
- ＰＨ :８．４
- 蒸発残留物:718.6mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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