岩手県
ゆかわおんせん・しんせいかん
湯川温泉・新清館
お肌もツルッと快感、川沿いの混浴大浴場
岩手県北上市から国道107号線を秋田県横手市方面へと走っていくと、錦秋湖というダム湖が見えてきます。もうすぐ秋田県で、すっかり深い山の中というイメージのところですが、ここからさらに山道に入っていくと湯川温泉という小さな温泉地があります。古くから知られるのか、山の中の寂しい場所にもかかわらずいくつもの温泉宿が並んでいて、素朴な温泉街を形成していました。歓楽街的な要素はなく、静かでのんびりとした雰囲気の温泉地です。新清館は温泉街の中ほどにある大きな温泉旅館です。大きいといっても道路を挟んで2つある建物が、道路を跨ぐように渡り廊下で繋がっているものでした。それなりに年季は感じるものの、暖かみのあるアットホームな対応で出迎えてくれる宿として人気があるようです。館内に浴場は2ヶ所あるようで、1つ目は2階の渡り廊下で繋がった建物の奥に大浴場があり、2つ目は玄関からずっと奥に向かった突き当たりの大浴場です。まずは1つ目の大浴場に向かいます。案内表示に従って進んでいくと、卓球台のある部屋の手前に男女別に浴場入口があります。館内はそれほど古くは感じないのですが、所々、歩くたびにミシミシと軋む音がするほど、味わい深さを感じる佇まいです。脱衣所はシンプルに棚が並んだもので、若干の鄙びを感じます。さっそく浴場に入ると、ムッとした熱気が包み込みました。浴室内がこれだけ蒸しているということは、それなりに高温の湯が入っているような気がします。実際、そんなに狭い浴室でもなく、また、奥の窓は開いているのです。手前側にある洗い場で体をサッと流し、さっそく湯舟に浸かろうとすると、やはり熱いです。湯舟はL字型をしたもので、中央の角の部分に注ぎ口があります。それなりに湯舟からも溢れ出て床を濡らしているところを見ると、掛け流しなのでしょうか。ちなみに源泉は70度近くあるようです。湯舟の奥の方に水の蛇口があったので、勿体ないとは思いつつも加水しながら入ることにしました。湯は極微妙に黄色いような気がするものの、ほとんど無色透明の湯です。一瞬、ツルッとしてその後はしっとりとした感触がありました。窓の外を見ると、そこには源泉がありました。この距離なら新鮮な湯がそのまま楽しめるというわけですね。続いてもう1つの浴場に向かいます。こちらは小鬼ヶ瀬川沿いにある大浴場です。先ほどの浴場よりもさらに鄙びて簡素な雰囲気の脱衣所でした。浴場に入ると、こちらの浴場の方が広々としています。先ほどと同じようにL字型をした湯舟が正面にあります。ふと見ると、先ほど入ってきた扉とは別に隣にも扉があります。なんとこちらは入口は別々でも浴場は一緒という男女混浴の大浴場なのでした。大らかさが何ともいえない情緒になっていますね。ちなみにこちらの浴場はそんなに熱くありません。少しずつ湯舟からは溢れ出ているようですが、循環装置も使われているようでした。それにしても雰囲気がいいですね。窓の外はすぐ川なのですが、対岸にも旅館があるということで曇りガラスになっているようです。窓を開けると眼下にサラサラと流れる川、そして山の冷たい空気が入り込んで、とても気持ちよかったです。浴後は肌がツルッとした潤った気がしました。滑らかな湯なので、じっくりと湯を楽しんでもいいと思います。のんびりと静養しながら過ごすことをおススメします。
掲載: 2010/07/19
Data
- 所在地:岩手県和賀郡湯田町湯川
- 源泉名:湯川中ノ湯温泉(混合泉)
- 入浴 :2009年11月
- 泉質 :ナトリウム、塩化物、硫酸塩泉
- 泉温 :源泉68.2度
- PH :7.9
- ラドン含有量:2.714x10-10キュリーラドン/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別・混浴
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 脱衣所:あり(女性専用あり)
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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