岩手県
ゆかわおんせん・たかしげりょかん
湯川温泉・高繁旅館
湯川温泉の最深部、黄金風呂が自慢の湯治宿
寒さもいよいよこれからが本番といった11月初旬、向かったのは岩手県西部の山の中にある湯川温泉「高繁旅館」です。湯川温泉は県境にも近い山奥にありますが、いくつもの温泉宿があるなど、温泉街を形成しています。温泉街といっても歓楽的な要素はまるでなく、ひっそりとした静かな雰囲気の温泉地です。高繁温泉は湯川の温泉街の中でも一番奥の方にある温泉旅館です。湯治でも有名な温泉旅館なので、鄙びた小さなものを想像していたのですが、辿り着いてみると鉄筋の大きな旅館に驚きました。玄関前には駐車スペースがなく、みんな道路脇に路上駐車をしています。こんな大きな旅館に駐車スペースがないわけないと奥まで行くと、旅館の裏手に少し広くなったスペースがあったのですが、そこは回転場となっているようで駐車禁止となっているようです。引き返してみると、50メートルほど下に専用の駐車場が用意されていました。今回は日帰りでの入浴でしたが、ここは人気があるようで先客がけっこういます。ほとんどが岩手ナンバーで、たまに秋田ナンバーのクルマがあります。玄関に入り、スリッパに履き替えて受付を済まして、さっそく浴場へと向かいます。浴場へは階下におりた2階に行きます。階下の2階?って思うかもしれませんが、崖に面して宿が建っているので、玄関が3階になっているのでした。2階に下りると、右側に進むと大浴場で左に進むと黄金風呂となっています。黄金風呂は残念ながら清掃中ということで入浴はできませんでしたが、ここの旅館の名物になっているようです。ちょこっと覗いてみると、湯舟に湯は入っていませんでしたが2つの湯舟があって、どちらもその名の通り黄金色に輝いています。また、壁には大きな壁画も描かれていてその他の部分も黄金色です。なるほど、これは面白い試みですね。優雅に過ごすことができそうです。さて、清掃中なので入浴はせずに大浴場へと向かいます。2階は女湯になっていて、男湯は1階にあるようです。下りて行くとそこは混浴と書かれています。男湯というわけではないのですね。脱衣所は棚にカゴが並んでいますが、特に男女がわかれているわけでもなく、女性の方は着替えづらいですね。そして浴場に入ると、これまた広々としていますが、混浴という雰囲気はありません。混浴を謳う以上は、女性にも入りやすい工夫が必要となるでしょう。内湯は外壁側に洗い場が並び、反対側は大きな湯舟です。手前側に滝のように湯が高い位置から落ちる打たせ湯があります。なかなか豪快な内風呂です。浴場の奥には蒸し風呂もありました。源泉の熱を利用した蒸気サウナになっています。足元から熱い湯気が噴き出していて、けっこう強烈なサウナです。露天風呂は内湯を取り囲むように、L字型をした大きなものです。岩風呂になっていて風情たっぷりです。岩風呂の脇には小川が流れていて、これもまたいい雰囲気です。また、奥の方には男性の性器を模した大きな岩がありました。天然の岩かと思いましたが、よく見ると人工的に作られたもののようで、けっこうリアルでした。見上げると2階の女湯の露天がベランダ状に出ているのがわかりました。うまく目隠しをした階段を設けて行き来できるようにしてもいいように感じます。湯は無色透明で、サラッとして軽い感じの湯でした。とてもあたたまりのいい湯のようで、気温が低くて非常に寒かったにもかかわらず、とてもポカポカと内側から温まるように感じました。雰囲気がよかっただけに、混浴の工夫をもうちょっと頑張ってくれれば非常に完成度の高い温泉宿だと感じました。
掲載: 2010/07/19
Data
- 所在地:岩手県和賀郡西和賀町湯川
- 源泉名:高繁温泉(高繁の湯)
- 入浴 :2009年11月
- 泉質 :ナトリウム-塩化物・硫酸温泉
- 泉温 :源泉79.6度
- PH :7.7
- ラドン含有量:2.97x10-10キュリーラドン/kg
- 形態 :温泉旅館 混浴・女性専用
- 効能 :神経痛・腰痛・胃腸痛・夜尿症・気管支炎・冷え性・喘息など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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