山形県
あかゆおんせん・えぼしのゆ
赤湯温泉・烏帽子の湯
大量掛け流しのツルツル温泉浴場
山形県南陽市にある赤湯温泉は、湯治場として古い歴史ある名湯です。温泉の発見伝説として、寛治7年(1093)に源義家の弟、源義綱が発見したとされているようです。現在の温泉街は街中に点在するように旅館が建ち並び、とても賑やかな印象の温泉地です。また、温泉街には点々と共同湯もあります。共同湯は観光客向けというよりは、むしろ地元の人々用となっているので、どれもあまり観光地化はされていないようです。そんなわけで、比較的どの共同湯もローカルムード満点のアットホームな温泉を楽しめるわけです。「烏帽子の湯」は温泉街の少し西側、住宅街の中にある公衆浴場です。とても地味な雰囲気の浴場で、地元の方々が頻繁に出入りをしているので、時間帯によっては観光客はなかなか入りづらいところかもしれません。建物に入ると通路が貫いていて、その中央に番台と自動券売機があります。料金は大人と子どもの区別はなく、すべて一律というのも合理的ですね。脱衣場は棚がズラッと並んでいて、ガラス戸を挟んで浴場となっています。オーソドックスな昔ながらの公衆浴場って感じですね。浴室はタイル張りのシンプル設計ですが、湯舟の形がとても変わっています。一応、烏帽子の形をしているとのことですが、それも微妙なところ。印象的にはオカリナって感じなんですがねぇ。まぁ、それはどうでもいいところ。洗い場は両脇に壁際にありますが、左側の方にはシャワーもありますが、右側のはカランだけです。ボディソープや石鹸、シャンプーなどは設置していないので、各自で持参するシステムです。体をサッと流してさっそく入ろうとしますが、けっこう熱い感覚があります。しかし、浸かってみるとそんなに熱くもなく、さっぱりとした熱さという感じです。極々微妙に濁りがあるような感じですが、ほぼ無色というところですかね。ここで疑問に思うのが、「赤湯温泉」なら赤い湯ではないのかということです。実はこの温泉の名の由来は、兵士が傷を癒したところみるみるうちに完治したんだけど、そのときに湯が血で赤く染まったことで「赤湯」と呼ばれるようになったそうです。なので赤湯だけど、源泉は赤くないのですね。それにしても注がれている分だけそのまま大量に湯舟から溢れている様は、なんとも素朴ながらも贅沢な印象です。湯はサラッとしているかと思っていたのですが、浸かっていると肌の表面がツルッツルッしています。こんな感触もまたいいもんですね。このツルツル感は浴後もしっかりと続くので、女性にもウケがいいことでしょう。こんな公衆浴場が地元にあるなんて、なんて羨ましいのでしょう。いつまでも残しておきたい、日本の文化だと思います。
掲載: 2011/02/13
Data
- 所在地:山形県南陽市赤湯
- 入浴 :2010年8月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉
- 泉温 :源泉49.8度
- PH :8.3
- 蒸発残留物:1161mg/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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