秋田県
やたてとうげおんせん・おおだてやたてはいつ
矢立峠温泉・大館矢立ハイツ
オレンジ色の濃厚な温泉を気軽に楽しむ
大館矢立ハイツは、青森との県境、秋田県側に建つ温泉宿です。国道7号線沿い、道の駅「やたて峠」に隣接しているので、非常にわかりやすい場所にあります。道の駅はすごく小さな情報館とパーキングエリアが広がっているだけで、非常にコンパクトなところですが、大館矢立ハイツにレストランや売店があるので、そんなに不便はなく感じます。そして何よりもハイツの温泉浴場も立ち寄りで利用することが可能なので、ドライブの途中に立ち寄ってリフレッシュを図ることもできます。ちなみに朝風呂も可能ということで、車中泊での目覚めのひと風呂にも最適です。さて、温泉を利用する際にはフロント脇にある自動券売機で入浴券を購入することになります。受付をするとエレベータで4階にあがるように案内されました。エレベータを降りると、そこから案内表示に従い廊下を奥へと進みます。けっこう奥の方に浴場がありました。脱衣所はそれなりに広々としています。鍵のかかるスチールロッカーもありますが、基本的には棚とカゴが用意されています。浴場に入ろうとすると、その手前で説明を読めとの表示があります。浴場の見取り図や泉質の説明がこまごまとあるのでした。また、表面に浮いているのは温泉の成分だとも言い訳がましく書かれていました。これだけ色々と説明が多いのは、温泉にこだわりを持っているからなのでしょう。浴室に入ると、洗い場がたくさんあり、そして奥には大きな湯舟があります。浴室の中央には大きな台があり、カランを洗面具で占領するなとの注意書きもありました。注意すると逆切れする客もいると書かれているところが怖いですね。以前に何か事件でもあったのでしょうか。ついつい勘ぐりたくなるほど、意味深な表示です。それから浴室内にはサウナと小さな水風呂もあります。浴室に入って気になるのがまず臭いです。鉄分の臭いがプンプンと漂います。そして次に湯舟の色です。赤錆というか見事なオレンジ色です。それと湯舟の周囲に広がる千枚田のような凸凹の床です。温泉の成分が相当濃いのでしょう、まるで遺跡のような鄙びを感じるような模様です。湯は濃いですが、透明度は6〜7センチといったところでしょうか。そんなに熱くはないですが、肌に浸透するようなしっとり感がありました。浴室は4階にあったと思うのですが、窓の外には地面が見えます。山の斜面に建つので、このような立地になっているようです。地面の奥は斜面になって、下には道の駅の駐車場が見えました。続いて浴室の奥にある露天風呂に出てみます。こちらは「かぐやの湯」とネーミングされているようです。周りを木の塀に囲まれていますが、かぐや姫らしき絵が書かれていて、雰囲気をうまく演出しています。露天は全体がウッドデッキになっていて、少し深くなった湯舟があります。湯舟との段差が激しいので、木製の手すりがついていますが、まるでプールのようなつくりですね。湯は無色透明のものが注がれていますが、空気に触れて赤茶色になるようです。ちょっと舐めてみると、鉄と炭酸のような風味がありました。それにしても個性的というか、とてもインパクトの強い湯で、緑豊かなこのロケーションといい、落ち着いた雰囲気といい、とても気に入りました。
掲載: 2011/02/26
Data
- 所在地:秋田県大館市長走字陣場
- 源泉名:新矢立温泉
- 入浴 :2010年8月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム塩化物泉
- 泉温 :源泉47.6度
- 形態 :公共の宿 男女別
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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