岩手県
くろたきおんせん・のぞみのゆ
黒滝温泉・のぞみの湯
木質バイオマスガス化発電による温泉施設
平泉の市街地からクルマで30分ほど、衣川区の山林に建つ温泉施設が黒滝温泉です。ここに来るまで杉の森林がずっと続いているので、この地区は林業が盛んだということがわかります。そして温泉施設に辿り着いてみると、なにやら工場のようなものが隣接しています。そこには「森のめぐみを電気のエネルギーへ」と書かれているのです。何のことかと思ったら、木質バイオマスガス化発電を行っているとのこと。つもり木をガス化して電気をつくっているそうな。そしてそのエネルギーを使用して風呂やサウナを稼動させているとのこと。なかなか面白い取り組みをしている温泉施設ですね。森林から得られるエネルギーで温泉を楽しむのは、けっこうエコなのかも知れませんね。温泉施設はいたって平凡な雰囲気の日帰り温泉施設です。そんなに大きな施設ではないものの、とても人気があるそうで駐車場はいっぱいになっていました。館内に入ると入浴の受付をしますが、通常は2時間までで、4時間コースやそれ以上のコースも用意されていました。滞在時間によって料金が異なるシステムなのですね。大広間はすでに満杯状態で、いかにこの施設が人気なのかがうかがえます。浴室は廊下のさらに奥にありますが、脱衣所に入ると意外と小ぢんまりとしているのに驚きます。棚にはカゴ、そしてコインロッカーもありますが、こんなに人気がある施設のわりに小さい気がします。浴室に入ると、こちらもまた小ぢんまりとしていました。電気風呂が2人用で、主浴槽は10人以上は入れるけど、そのひとつだけです。あとはサウナと水風呂で、露天風呂などはありません。また、ガラス窓は大きいものの、すぐ外は塀があるので、景色はまったく見えません。けっこうシンプルなところですが、やはり気になるのはその温泉です。ほぼ無色透明で、きれいな湯です。さっそく浸かってみると、サラッとしているのかと思いきや、ツルツルスベスベする滑らかな湯なのです。肌がしっとりとするような染み込む感覚もあります。けっこうポカポカと熱くなってくるのですが、またまた意外にも塩分を含んだ湯だということです。循環されていそうなので飲泉はできませんが、舐めてみるとマロヤカな塩味がありました。加水もされているそうで、けっこう薄まっているのかもしれません。それでもこのツルツル感は見事です。確かにこんないい湯なら、人気が出てもおかしくはないでしょうね。地球の恵みを存分に活用した、新しい形の温泉施設かもしれません。
掲載: 2011/04/03
Data
- 所在地:岩手県奥州市衣川区上立沢
- 入浴 :2010年8月
- 泉質 :ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉
- 泉温 :源泉42.7度
- PH :7.9
- ラドン含有量:3.2x10-10Ci/kg(0.9マッヘ)
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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