長野県
きたしがおんせん・こうしゃのゆ
北志賀温泉・高社の湯
西洋の古城を思わせる優雅なリゾートホテル
北志賀はリンゴの名産地、または夏はスポーツ合宿、冬はスノーリゾートとして人気のある高原リゾートです。国道403号線から少し離れて富士スキー場へと向かっていくと、西洋の古城を思わせる大きなホテルが見えてきます。ここは「ゆうリゾートホテル」という宿泊施設ですが、何とも一際目をひく外観に驚きます。ここは「高杜の湯」という天然温泉が味わえるホテルで、宿泊者以外の方でも気軽に立ち寄り利用できる温泉施設となっています。温泉としての知名度は低くけっこう地味な存在の温泉ですが、泉質の良さからマニアの間でも人気のある温泉なのだそうです。さっそく温泉目当てに立ち寄りで入浴してきました。リンゴ畑の広がる丘陵地を縫うようにしてクルマを走らせると、ホテルが見えてきますが、なるほど派手な外観が目をひきます。リゾートの名にふさわしい感じで、とても雰囲気の良さそうなところですが、ここで温泉となるとどうなのかと不安に感じます。館内に入りフロントで受付をすると、階下にある浴場へと案内されます。脱衣所は棚が並びますが、有料のコインロッカーもあります。わりとゆったりとしたロッカーなので、多少の荷物も問題なさそうです。脱衣所の手前側には浴場への入口があります。奥にはプールへの出入口もありました。屋外にプールがあり、リゾート気分を味わいながらプール遊びができるようです。浴場は内湯になっていて、外を眺めるような窓がないのでちょっと閉塞的な雰囲気がありました。けっこうムッとした熱気があるので何かと思ったら、湯舟から湯がどんどん溢れ出ているようです。説明によると循環加水なしの掛け流しなのだそうです。なんとも贅沢な温泉です。さっそく体を流して湯舟に向かうと、湯は薄く鶯色っぽく濁った湯となっていました。濁ったといっても薄く濁っているだけなので、湯舟の底は見える程度です。わりと濃い目の湯のようで、湯舟の縁の部分は温泉の成分による薄いコーティングが見られました。こういったホテルにしては珍しいですね。湯舟に浸かると、フーッと息が漏れるような何とも心地いい湯です。少し熱めなのがまたいい刺激ですね。鉄分を多く含んでいるのでしょうか、金属的な臭いが漂います。奥から熱い湯が注がれていますが、けっこう熱いのでやむみに触るのは危険です。そっと舐めてみると、やはり金気味を感じます。スッと肌に染み込むようなキメ細かな印象の湯でした。浴室内は大きな湯舟があり、隅に小さなサウナがあるものの、露天風呂がありません。実は露天風呂は館内の浴場とは別の場所にあるのです。脱衣所で服を着て、プールの出入口から外へと出ます。正面には大きなプールがありますが、その奥の森の中に木造の小屋が見えます。これが露天専用の温泉施設なのです。サンダルが用意されているので、それを履いて露天へと向かいました。こちらは小屋といってもログハウス調の雰囲気のいいものです。館内に入るとロッカーや棚が並んだ脱衣所で、そこを抜けると大きな岩風呂がありました。内湯はありませんが、露天の一角には洗い場もあります。湯舟は巨石に囲まれていて、その奥が森となっているのでとてもワイルドな印象の露天風呂です。露天には屋根がないので、真夏の炎天下の下ではとても暑くて、ワイルドな雰囲気が一層際立ちました。湯は内湯よりも少し濃いように感じましたが、おそらく同じものでしょう。外気に触れているので色が濃いように感じました。それにしてもリゾートホテルとは思えない、落ち着いた雰囲気がとてもいいですね。8月の終わりの平日でしたが、他に誰も利用者がいませんでした。けっこういい雰囲気だったので、もったいないぐらいに感じました。もうちょっと人気があってもいいように思います。
掲載: 2011/05/01
Data
- 所在地:長野県下高井郡山ノ内町夜間瀬
- 源泉名:高社之湯
- 入浴 :2010年8月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
- 泉温 :源泉45.1度
- 湧出量:毎分227リットル
- PH :7.5
- 蒸発残留物:2293mg/kg
- 形態 :リゾートホテル 男女別
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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