山形県
ひうちざきおんせん・しょうりんかん
火打崎温泉・松林館
田園地帯に佇む素朴な湯治宿
火打崎温泉鉱泉松林館は山形県鶴岡市の郊外、田んぼの広がる田園地帯の一角にポツンと建つ一軒宿です。庄内地方は米どころとしても有名ですが、まさにそんな懐かしい風景に出会える素朴な鉱泉宿です。父親が常宿として利用していたのをきっかけに、訪れることになりました。稲の穂もたわわに実って頭を垂れてきた9月下旬、この日は雨模様でした。宿に着くと、素朴ながらも大き目の立派な宿でした。1階の広間には法事らしき団体が食事をしていました。温泉宿としてはそれほど知名度はありませんが、宴会や会合などに利用されることが多いようです。宿ということで宿泊したのですが、とてもローカルな雰囲気があって、旅館や民宿に宿泊したというよりも、親戚のうちに遊びに来たような家庭的というかアットホームな雰囲気がありました。館内もしっかりとした造りながらも、ミシミシと軋む階段とかもローカルムード満点です。浴場は玄関を回り込んだ左奥にあるのですが、どうやらこちらは改装したばかりなのでしょう。とても新しくてきれいな印象です。手前側が女湯、奥が男湯となっています。ちなみにこの温泉は明治時代に発見され、湯治宿として地域の方々には人気のあったところのようです。規模はそんなに大きくはないので、浴場もどちらかというと小ぢんまりとしたタイプです。脱衣所は棚がいくつか並び、棚の一部が貴重品用の小さなボックスロッカーになっていました。浴室は小ぢんまりとした内湯のみです。手前側両サイドに洗い場がありますが、洗い場といっても右側が1基、左側に2基分の洗い場があるだけてす。湯舟の規模も5〜6名ほどでいっぱいのものがひとつあるだけです。浴室はそれなりに狭いのですが、大きな窓もあるのでわりと明るい印象を受けました。窓は半分が曇りガラスになっていて、またその外側にも樹木などもあるので、景色は期待できません。湯はうっすらと濁っているようないないような、ほとんど無色透明の湯です。ほとんど癖がなく、サラッとした大人しい湯です。分析表には「単純鉄冷鉱泉」と書かれていますが、あまり鉄分を含む様子もありません。循環加熱をしているようなので、もしかしたら源泉の特徴が薄れてしまっているのかとも思いました。あまり特徴がない、つまらない湯だなぁと思いながら浸かっていたのですが、意外にも汗が大量に噴き出してきます。浴後もしばらく汗が引かなかったので、温熱効果の高い湯のようです。なるほど、こういった特質があるので、こうやって続けて来れたのだなぁと感じました。地味だけど、温泉の力強さを感じさせてくれる湯でした。
掲載: 2011/04/30
Data
- 所在地:山形県鶴岡市菱津
- 入浴 :2010年9月
- 泉質 :単純鉄冷鉱泉
- 泉温 :源泉11.6度
- PH :3.4
- 蒸発残留物:831.8mg/kg
- 形態 :鉱泉旅館 男女別
- 効能 :月経障害、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆
- 地元度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆
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