福岡県
くぼておんせん・ぼくせんのさと
求菩提温泉・卜仙の郷
霊峰求菩提山を眺めるツルツル温泉
福岡県の東南、豊前市の山の中には求菩提温泉「卜仙の郷」という温泉施設があります。ここは宿泊施設ですが、日帰りでの入浴も受け付けていて、けっこう人気があるようです。温泉名にもあるとおり、霊峰求菩提山が目の前に聳 えています。「卜仙」とは6世紀前半に求菩提山に祠を建てて、信仰の山として開いた人だとのことです。さて、前々からずっと気になってはいたものの、なかなか訪れる機会がなくようやく年の瀬迫った年末に訪れることができましたが、なんと生憎の雪模様です。雪といっても大粒の牡丹雪ですので積もる気配もなさそうです。豊前市街地はほとんど霙 状態だったので、あまり気にすることなく山に登っていったのですが、そんなに標高が高いわけでもないのに山の中に入っていくと、周囲はすっかり雪景色になっていました。沿岸部からほんのちょっと中に入るだけなのに、思わぬところで雪見風呂が楽しめそうです。こんな微妙な天候ですが、さすがに日曜日とあって駐車場は入浴客でけっこう埋まっています。館内に入ると、フロント脇に入浴券の自動券売機がありますが、購入した入浴券はフロントではなくその先の浴場入口まで持っていくシステムとなっていました。入浴券を持ったまま浴室に向かうと、浴場前に日帰り入浴用の受付がありました。脱衣所に入ると脱衣棚にカゴが並びます。カゴは棚のサイズよりもずいぶんと小さなものでした。浴場に入ると、左側には洗い場が並び、右側には2つの湯舟が並んでいました。湯舟は小さい手前側のは黄色く色づいていて、大きな奥の湯舟は無色透明です。手前の湯舟だけが天然温泉なのかと思いましたが、実は手前の湯舟は温泉にヨモギを配合した薬湯になっていて、奥が天然温泉となっているようです。湯はツルッとする滑らかな湯で、感触は手前も奥もそんなに変わりませんが、やはりヨモギ入りの湯は香りがとてもいいです。鼻先をくすぐるような軽い感じの臭いが、心を落ち着かせてくれる気がしますね。湯舟の湯は循環利用されているのでしょうが、見た目にはドバドバと溢れ出ていてほぼ掛け流しのような状態です。溢れ出た湯が床に広がっていく様は、見ていてとても好印象でした。外には露天風呂があります。岩風呂になっていますが、屋根があるので多少の雪も問題ありません。露天の周囲はちょっとした塀があるのですが、庭木なども配されていて、雪見風呂はとても風情のあるものになっていました。でもさすがに真冬は寒いですね。風が吹き抜けると頬が凍てつくようでした。紅葉のシーズンに訪れると、またいいのではないかと感じました。
掲載: 2011/05/29
Data
- 所在地:福岡県豊前市大字篠瀬
- 入浴 :2010年12月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉
- 泉温 :源泉38.3度
- 形態 :温泉宿泊施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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