宮崎県
ながひがわおんせん
長日川温泉
手造り感たっぷの露天風呂が自慢の隠れた名湯
宮崎市田野町にある長日川温泉は、宮崎市の中心地からクルマで40分ほどのところにある隠れた一軒宿です。県道からちょこっと脇道に入り、田畑の先の谷間に隠れるようにしてある小さな旅館が見えてきます。あら、こんなところにも温泉宿があるんだなぁと、看板を見た最初の印象はそんなものでしたが、これがまたその非常に雰囲気がいいのです。まず、見た目には普通の旅館です。隠れた雰囲気があるものの、食事や宴会もできる旅館という感じでしょうか。まぁ、ここまでは普通ですが、日帰り入浴を請うと快く迎い入れていただき、その先の浴場へと下りていきます。下りていくというのは、階段をひたすら谷間におりていくのです。足腰の悪い人には向かないですが、健常者なら特に問題のない範囲です。そして一度館外に出て、さらに奥へと進みます。この途中の雰囲気から急に風情が出てきてとにかく情緒たっぷりなのです。また、妙なのが途中にあるパワースポット。最近、何でもパワースポットと騒ぎ立てますが、思わず笑ってしまいました。ようやく浴場に辿り着きますが、これがまた手造り感のある素朴な小屋なのです。脱衣所に入ると、簡易的な棚にカゴが並び、洗面台がまた洒落た感じです。脱衣所を抜けるとすぐに露天風呂がありました。ここは内湯はなく露天風呂だけです。いきなり露天なのですが、ここでも嬉しいくらいムードのある露天風呂なのです。まずは手前側に桧風呂がありました。こちらはカボスが浮いていましたが、水風呂になっているようです。年末の寒い時期だったので、さすがにいきなり水風呂は厳しいです。そして正面には大きな岩風呂がありました。大きな屋根のついた湯舟で、ゆったりとした大きなものです。こちらはしっかりと熱い湯が張られています。湯舟の奥には岩を組んだような湯口があり、熱い湯が注がれていました。また、この温泉についての説明の書かれた板もありました。それによると西郷隆盛を中心とした鹿児島士族の反乱「西南の役」で、 戦いに敗れた反政府軍のうちの一部が、この地に傷を癒したと書かれていました。昭和24年に温泉旅館として創業したものだそうです。こういった歴史の一部を垣間見ると、温泉情緒も一層増してきますね。岩風呂のすぐ脇には小さな木造の湯舟がありますが、こちらも水風呂になっています。谷間の小川沿いにあり、喧騒とは無縁といった本当に静かな雰囲気です。そして最後に蒸し風呂がありました。こちらは熱い蒸気で満たされたスチームサウナですが、なんと室内にはテレビまでありました。最初のうちはテレビの電源も入ってなくて、静かな雰囲気だったのですが、テレビをつけたらたちまち露天風呂中に響き渡って、ムードが壊されてしまいました。別にテレビはなくてもいいような気がします。まぁ、このテレビは置いておくとして、とにかく雰囲気は格別で、初めて来たのにすっかり気に入ってしまいました。宿としての雰囲気も良さそうだし、料理も自慢とのことなので、是非とも宿泊してみたくなりました。機会があれば、いつか泊まってみたいと思います。
掲載: 2011/06/25
Data
- 所在地:宮崎県宮崎市田野町乙
- 入浴 :2010年12月
- 形態 :温泉宿 男女別
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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