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石川県

ゆわくおんせん・そうゆしらさぎのゆ

湯涌温泉・総湯白鷺の湯

白鷺伝説の残る優雅な共同浴場
湯涌温泉は、金沢市からクルマで30分ほど、まさに奥座敷と呼ばれる老舗の温泉地です。いくつもの温泉宿があり、緑豊かな静かな場所ですがとても風情のある温泉街になっています。開湯の歴史は古く、養老2年(718)に白鷺が羽を休めているのを見て発見されたという伝説があるそうです。そんなわけで、温泉街には白鷺をあしらったオブジェなどをいくつも見ることができます。温泉街の奥に位置する共同浴場も「総湯 白鷺の湯」として親しまれています。総湯とは共同浴場のことをいう北陸では一般的な呼称です。この総湯は平成11年(1999)に建てかえられた比較的新しいもので、中規模ながらもしっかりとしたつくりの施設となっていました。館内に入ると下足箱と入浴券の自動券売機があります。フロントを挟んで左側が男湯、右側が女湯となっていました。左奥にはちょっとした休憩所もあります。そんなに広いわけではないので、シーズン中はけっこう賑わうかもしれません。全体的に落ち着きながらもローカルな雰囲気がありました。脱衣所は鍵付きのロッカーがあります。ちょっとガタついたものもあるので、少し老朽化してきているようです。浴場は内湯のみで露天風呂はありません。しかしながら大きなガラス窓から光が射し込んでとても採光豊かでした。浴室も中規模って感じでしょうか、内壁側に洗い場が並び、ガラス窓際に大きな湯舟があります。洗い場には石鹸やボディソープ類は用意されていないので、各自で持参するシステムです。浴場の出入口付近に掛かり湯がありますが、源泉と書かれています。無色透明の滑らかな湯がトロトロと溢れ出ていました。浴室は全体的にシンプルながらも優雅な雰囲気があります。床はレンガ質の赤茶色した石タイルが敷かれていて、湯舟は凝灰岩のようなザラザラとした質感の石タイル。そして洗い場や壁は赤茶色の御影石のようです。落ち着いたデザインながらもけっこう凝った印象の浴場です。よく見ると洗い場の上の壁には白鷺の絵がいくつか掲げられていました。これもポイントが高いですね。湯舟は隅の方に寝湯が2つ用意されています。その手前には飲泉も兼ねた湯口がありました。柄杓が用意されているのでさっそく口に含んでみましたが、ミネラル臭のキツイ、かなり独特の味覚があります。大正初めにドイツで催された鉱泉博覧会で「世界3大名泉」に選ばれたこともあるという名泉なのだそうで、湯へのこだわりが感じられますね。窓の外の景色は、裏山というかその石垣と、上の方には遊歩道が見えます。女湯は角度的に見えないので大丈夫でしょうが、何とも大らかな雰囲気です。湯に浸かっていると、なるほど肌がツルッとするような気もするし、温まりがいいのか汗がよく出ます。とても爽やかな印象の湯でした。観光の名所にもなっているので、この名湯を是非とも味わってみてください。
掲載: 2011/11/19
Data
  1. 所在地:石川県金沢市湯涌町
  2. 源泉名:湯涌温泉 2号源泉、5号源泉
  3. 入浴 :2011年8月
  4. 泉質 :単純温泉、ナトリウム・カルシウム−硫酸塩・塩化物泉
  5. 泉温 :源泉30.8度、源泉46.0度
  6. 湧出量:毎分20リットル、毎分122リットル
  7. PH :8.4、8.0
  8. 蒸発残留物:0.6892g/kg、3.244g/kg
  9. 形態 :共同浴場 男女別
  10. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
  11. 露天風呂:なし
  12. 開放度:☆☆
  13. 清潔度:☆☆☆☆
  14. 気軽度:☆☆☆☆☆
  15. 人気度:☆☆☆☆
  16. 景色 :☆☆
  17. 総合評価:☆☆☆