静岡県
けんもちおんせん・しょうきちのゆ
剱持温泉・昭吉の湯
極上の景色と極上のツルツル感を楽しむ
下田の市街地からクルマで20分ほど、観音温泉の少し手前にある秘湯的存在の隠れた名湯が「昭吉の湯」です。観音温泉も十分に秘境ムード満点ですが、こちらは素朴さとワイルドなロケーションが人気のようです。下田近辺の入浴施設を探していたら気になったのでさっそく訪れてみました。国道から県道、そして細い脇道に入っていきます。ここでもけっこう細い道で、対向車が来ると避けるのが大変です。そしてあと少しで観音温泉というところで、案内に従ってさらに脇道に入って急な坂を登り始めます。本当にこの道で良かったのかな?と不安になるような道ですが、他に道はなさそうなのでこれでいいのでしょう。そのまま激しく急な坂道をガンガン登っていきます。対向車が来たら完全にアウトじゃないかと思うほど急で細い道です。ようやく登りつめるとそこに施設が見えてきました。駐車場と書かれたスペースにクルマを停めると、受付と書かれた建物から人が出てきました。表には呼び鈴代わりの鐘もあるのですが、急坂を登るエンジンの音で来客がわかったのでしょう。料金を払うと、そのまま目の前を坂をさらに徒歩でのぼっていきます。すぐ上に大きな木造の湯小屋がありました。ワクワクしながら中に入ります。建物に入ると、小さな玄関があり、その奥に男女別に入口がわかれていました。手前側が男湯で奥が女湯のようです。中に入るとソファのある休憩室がありました。しかし、女湯側の休憩室とは透ける簡易的な仕切りがあるだけで、丸見えです。最初はここが脱衣所かと思ったので、ずいぶん大らかなところだなぁと思ったのですが、脱衣所はさらに奥にありました。こちらは随分と小ぢんまりとしたところです。扉付きの棚があるだけのシンプルな脱衣所です。浴場に出るとこちらはいきなり露天風呂です。内湯はなく露天だけのシンプルな浴場のようです。一応、固形石鹸が置かれた洗い場的なスペースが手前側にありますが、あとは湯舟です。けっこう広めの湯舟で、サラッとしたタイプの石タイル敷きとなっています。全体的に浅めの湯舟で、半身浴とまではいかないまでも、背中がでるような感じです。このときはちょっと熱めの湯でしたが、秋の風が爽やかでとても快適に過ごすことができました。そして何よりも嬉しいのがその景色です。急な坂を登ってきたということは、それだけ景色も抜群です。周辺の山々を見下ろすように開けた視界がとても爽快です。視界が開けているというだけで、海岸や奇岩などの変わった景色ではありませんが、何もない自然という雰囲気が漂っていて、とても長閑な感じです。それから凄いのはロケーションだけではありません。無色透明な湯ながらも入った瞬間にツルツルっとする湯は「何だ?」と思うくらい、インパクトの強いものです。肌の角質がそのまま溶け出しているような、スベスベするような湯なのです。うっとりとするようなそんな湯が、惜しげもなく掛け流されているから凄いものです。すっかりとその湯の魅力にとり憑かれてしまいました。あちらこちら、手作り感漂うB級的なところも個性派の温泉好きにはポイントが高いことでしょう。気軽に行くには大変なところですが、是非とも訪れたい極上の温泉だと思います。
掲載: 2012/10/16
Data
- 所在地:静岡県下田市横川
- 入浴 :2011年10月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性高温泉)
- 泉温 :源泉48.0度
- PH :9.48
- 形態 :温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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