秋田県
みなみたまがわおんせん・はなやのもり
南玉川温泉・はなやの森
みかん色に染まった濃厚で開放的な露天風呂
田沢湖から10キロちょっと北上したところには宝仙湖という大きなダム湖があります。このあたりまでくるとさすがに山の中という感じで、観光スポットどころか人の集まるようなところもほとんどない山間部です。そんなダム湖のほとりにポツンと建つのが南玉川温泉の「はなやの森」です。国道からダム湖を跨ぐように架かる男神橋を渡るとすぐにあります。ここは宿泊施設ですが、日帰り入浴も行っているということで、ちょっと立ち寄ってみることにしました。国道沿いには橋の手前に看板もあるのですが、周囲には何もないところなので、ついつい通り過ぎてしまいそうです。「今、何かあったかな?」という感じで気付かない人もいそうなところにあります。そんな感じなので、どんだけ鄙びた宿が待ち構えているのだろうかと期待しながらいくと、これまた意外なことに、とても綺麗でモダンなスタイルの宿でした。建物の感じからすると、まだ建てられてからそう年月は経っていないように感じます。ちょうど昼頃だったので、レストランで手打ちソバを食べてから入浴をすることにしました。浴場は廊下を奥に行った突き当りにあります。脱衣所は棚にカゴというシンプルなスタイルで、狭すぎず広すぎずって感じです。浴室は内湯と露天があり、内湯は入るとムッとするほど熱気に包まれていました。内湯は洗い場がいくつかとゆったりめの湯舟がひとつあるだけですが、何だかとても独特な雰囲気がありました。まずは壁が木目の鮮やかな木板を使用しているので、まさに東北の湯治場というような雰囲気があるのです。さらには湯舟の色に注目。こちらは赤茶というよりオレンジに近いような真っ赤な湯が並々とあります。透明度は10センチもないほど濃厚な色をしています。小洒落た雰囲気の宿からは想像しがたいお湯にびっくりです。さらに驚くのは露天風呂です。脇の扉から外へと出てみると露天風呂へと出られるのですが、これがまたとっても広々としていて超開放的です。巨石に囲まれた岩風呂になっているのですが、まるで池のようにゆったりとした大きな湯舟です。内湯と同じように真っ赤な湯が並々と溢れていました。色が濃く底が見えないので、段差を足で探りながら湯に入ります。露天には屋根がないので、とにかく開放的です。夜間なら満天の星空を眺めながら温泉を楽しめることでしょう。湯から上がると、手や足の裏、お尻がオレンジ色になっています。底に沈殿していた温泉の成分がくっついたのでしょう。洗い流せばすぐに落ちるので問題ありませんが、そのまま着替えてしまうと下着が汚れてしまうので注意しましょう。とても濃厚でワイルドな温泉に感動の宿でした。
掲載: 2013/04/09
Data
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖玉川
- 源泉名:南玉川源泉
- 入浴 :2012年8月
- 泉質 :ナトリウム-硫酸塩泉(旧泉名 芒硝泉)
- 泉温 :源泉60.1度
- PH :6.7
- 蒸発残留物:4900mg/kg
- 形態 :温泉宿泊施設 男女別
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、動脈硬化症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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