岩手県
しずくいしたかくらおんせん・しずくいしぷりんすほてる
雫石高倉温泉・雫石プリンスホテル
池の鯉も温泉を楽しむワイルドな露天風呂
冬はスノーリゾート、夏は緑豊かな野山の散策、秋は燃えるような紅葉と四季折々の楽しみ方が味わえる雫石プリンスホテルは、ゴルフ場も備えた高原リゾートホテルです。中でも最大の魅力は温泉遺産にも認定されているという源泉掛け流しの天然温泉です。前々から気になっていたのですが、今回ようやく宿泊で利用することができました。温泉の浴場は1階にありました。エレベータを降りてすぐ左手、建物の裏手に回るようにして向かうとすぐです。こんなに大きなホテルですが、浴場の規模は小さいようで、脱衣所の入口を入ると小さな下足箱、そしてその奥に棚にカゴの並んだ脱衣場がありました。思わず「あれっ?」と声を出してしまうくらい規模の小さなものです。ではさっそく内湯に入ろうとドアを開けますが、洗い場がいくつかありますが、湯舟らしきものは見当たりません。正面のガラス戸越しには露天風呂が見えます。そういえば浴場の案内にも「露天風呂」という文字ばかりだったことを思い出しました。そうなんです、ここには大浴場はなく、露天風呂だけがあるのでした。近代的なリゾートホテルなので、各客室にはユニットバスがついています。体を洗うなら部屋のバスタブでも、1階浴場の洗い場でも済むわけですからね。なんと合理的な手法なんでしょう。でも、洗い場はしっかりとしていて、ボディソープやシャンプー、コンディショナーが用意されています。体をサッと流したところでさっそく露天に出て見ます。内湯はない分だけ、露天はゆったりとした大きな湯舟です。露天に出るとまずその広さに驚きます。湯舟はひとつだけなのですが、開放感たっぷりの野趣溢れる演出がされています。それというのも、湯舟の先には大きな池があり、まるで湯舟と池がそのままつながっているような感じになっているのです。もちろん池は温泉ではなく水ですし、優雅に鯉まで泳いでいます。池の対岸には沢が流れて森の中の温泉って雰囲気もいいですね。さらに主役である温泉そのものも個性的でインパクトのある湯です。湯舟の湯はうっすらと薄茶色に濁っていて、湯舟の縁の部分にはクリーム色をした温泉の堆積物ですっかりコーティングされてしまっています。見た目以上に濃厚な湯のようです。また、重油の臭いというか、焼きたてのアスファルトのような軽い感じの油臭もありました。そしてさらに湯は肌にスッと馴染むような滑らかな湯で、微妙にツルッとした柔らかな浴感もあるのです。源泉はかなりの高温のようで、湯舟の手前両サイドに熱い湯のでる湯口があります。そして湯舟の湯は湯舟から零れ落ちるように溢れているのですが、なんと手前側だけでなく池側にもどんどん溢れ出ているのです。目の前で鯉も泳いでいるのですが、どうやら鯉も温泉を楽しんでいたのですね。湯舟の規模は小さいながらも、そんな個性的な温泉にすっかり魅了されてしまいました。
掲載: 2014/09/07
Data
- 所在地:岩手県岩手郡雫石町高倉温泉
- 源泉名:雫石高倉温泉(高倉の湯)
- 入浴 :2013年5月
- 泉質 :ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉
- 泉温 :源泉39.5度
- PH :6.8
- ラドン含有量:12.2Bq/kg (3.29x10-10Ci/kg)
- 形態 :高原リゾートホテル 男女別
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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