岩手県
あみはりおんせん・ありねさんそう
網張温泉・ありね山荘
雄大な岩手山麓の中腹、雫石盆地を眺めながら心を癒す
網張温泉は岩手県岩手郡雫石町にある人気の高い温泉地です。この温泉の歴史は古く、開湯は和銅年間(708〜715)と言われているそうです。この名湯網張温泉を引く「ありね山荘」は、牧場の中にある日帰り温泉施設です。山荘と名前につくことから、てっきり宿泊施設かと思い込んでいたのですが、実際に辿り着いてみると、丘の上にポツンと佇む小さな温泉施設だったので、驚いてしまいました。道中は県道を外れた山道を進みますが、所々に案内があるので道に迷うことはないでしょう。牧場の中なので、「牛に注意」の看板も気になります。館内に入るとすぐに受付があり、長いすの並んだロビーがありました。左奥には座敷の休憩室もあります。小さな施設ながらもゆっくりとくつろげるところのようです。浴場は右側にありました。脱衣所を抜けてさっそく浴室に向かいますが、浴室への扉が開けっ放しになっています。思わず閉めようかと思ったら、そこにガスが溜まりやすいので閉めないようにと注意書きがありました。そうなんです、硫化水素系の温泉なのでガスがこもってしまうと危険なんだそうです。浴室内はタイル張りのオーソドックスなスタイルです。手前側に洗い場があり、正面のガラス窓際に大きな湯舟があります。また、手前側には小さなサウナと水風呂もありました。さっそく体を流したところで浴槽に向かいます。窓はとても大きく、外の景色がよく見えます。山の丘の上にあるので、とにかく見晴らしがいいです。遠くに見えるのは雫石盆地だそうで、雄大な景色を眺めながらの入浴ができました。湯は翡翠を薄〜くしたような鈍い色をしています。角の湯口から熱い湯が注がれていますが、湯口の近くもガス濃度が高いので近づくなと書かれています。確かに硫化水素独特の臭いがして、とても息苦しさを感じます。まぁ、ちょっと入浴しているぐらいなら問題ないでしょうが、危険ですね。景色がいいなぁとボーッと外を眺めていると、ふと目の前にヤギがいることに気が付きます。それもすぐ目の前に数頭います。そうでした、ここは牧場の中だったのですね。なかなかいい演出をしてくれています。脇には露天風呂もあります。外に出るとすぐに湯舟がありますが、けっこう小さな湯舟です。また、なんでしょうこの開放感は。後ろには一応壁があるのですが、そんなに高くないので立ち上がると背後にあるロビーが見えます。また、正面からはヤギがこっちを見ています。屋根がないので空も広くて、とにかく開放的な雰囲気でした。小鳥のさえずりが響き渡り、とても牧歌的な雰囲気に囲まれながらの入浴も気持ちがいいものですね。とても小さな施設なのでレストラン等がないのですが、休憩室には食事等の持込が可能だそうで、常連客はみんな弁当を持参できていました。1日のんびりと過ごせる、とても長閑な温泉施設でした。
掲載: 2014/09/09
Data
- 所在地:岩手県岩手郡雫石町長山
- 源泉名:網張温泉(元湯新湯)
- 入浴 :2013年5月
- 泉質 :単純硫黄泉(硫化水素型)
- 泉温 :源泉76.7度
- PH :4.1
- ラドン含有量:0.981x10-10キュリーラドン/kg
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病、高血圧症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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