岩手県
みなみあみはりありねおんせん・ゆこたんのもり
南網張ありね温泉・ゆこたんの森
森の中の隠れ家のような静寂に包まれた癒しの空間
盛岡からクルマで40〜50分ほど、雫石の緑豊かな自然の中にある「ゆこたんの森」は、森に囲まれた優雅な旅の宿です。「ゆこたんの森」の名前の由来は、温泉の「ゆ」とアイヌ語で「集落」を意味する「こたん」をあわせて、温泉を通じて人が集いふれあいが育まれる自然に囲まれたところをイメージしているそうです。そんなコンセプトもあってか、まさに森林リゾートとでも言うのでしょうか、のんびりとしながらもとても優雅な雰囲気が漂っていました。温泉館は宿泊棟とは別になっていて、日帰りでの入浴にも対応しています。日帰り入浴の際には入口のところで入浴券を購入して館内へと進みます。食事ができる休憩室を抜け、さらに館内奥へと進むと浴場があるのですが、廊下の途中で男女がわかれます。それぞれ趣向の違う浴場のようで定期的に男女が入れ替わるようです。今回は右側の正徳の湯に向かいます。廊下の先まで行くと、正面が露天風呂、右側に内湯の入口があります。それぞれ別の場所にあるのでしょうか、とりあえず内湯から攻めて行こうかと思います。脱衣所は棚にカゴ、そして貴重品用のコインロッカーがありました。洗面台もゆったり広々としていて、民芸調のシックな落ち着いた雰囲気がとてもいい感じです。浴場に入るとこちらも木造の湯小屋風の造りになっていて、正面に大きな湯舟、そして正面壁側と、内側に洗い場がありました。浴室内はランプ風の照明になっていて、どこか懐かしさを漂わせる不思議なムードがありました。内湯からは露天へと向かう扉があります。内湯からも行けるんだなぁと扉を開けると、そこは廊下になっています。思わず裸で出てはいけないのかと身構えてしまいましたが、すぐ右奥には露天の湯舟が見えます。妙なつながり方をしている露天風呂ですね。また、内湯には湯舟の中にも小さな扉があります。そうなんです、内湯の湯舟と露天風呂の湯舟がそのままつながっているのです。湯舟を出ることなく、内湯と露天を行き来できるのですね。露天は森の中に迫り出すように作られていて、とっても清々しい空気が流れていました。とっても静かで、カッコーの鳴く声と、木々のざわめきがとてもいい雰囲気です。まさに森林浴と温泉浴の融合ですね。ふんわりとした腐葉土の香りに包まれながら、のんびりと湯を楽しむことができるのです。訪れたのは5月中旬ということで、虫はそんなに多くない時期でしたが、このロケーションだから夏場は虫も多いことでしょう。虫対策としてハエタタキが用意されていました。さて、肝心の温泉ですが、無色透明の透き通った湯ですが、ツルツルすべすべの浴感がたまりません。まるで絹を撫でているようなうっとりとするような浴感が楽しめます。それにしてもこの雰囲気は格別です。今回は日帰りでの入浴でしたが、このまま帰ってしまうのがもったいないと思うぐらい気に入ってしまいました。できることなら宿泊してじっくりと何度でも味わいたい、そんな温泉施設でした。
掲載: 2014/09/09
Data
- 所在地:岩手県雫石町長山猫沢
- 源泉名:南網張ありね温泉(ゆこたんノ湯)
- 入浴 :2013年5月
- 泉質 :含硫黄−ナトリウム−炭酸水素・塩化物泉
- 泉温 :源泉67.7度
- 湧出量:毎分46リットル
- PH :7.5
- ラドン含有量:0.795マッヘ/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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