秋田県
かにばおんせん
蟹場温泉
個性的な内風呂と、森に囲まれたワイルドな露天風呂
田沢湖の北東、乳頭温泉郷は秘湯と呼ばれる素朴な温泉が点在する人気の温泉郷です。その中でも最深部、県道の終点(起点?)にあるのが蟹場温泉です。いくつかの温泉地を抜けて最後に辿り着くのですが、宿はわりと小ぎれいというか、和風モダンの中規模くらいの宿です。蟹場の名の由来は、近くの沢に蟹が多く生息していたことから蟹場と名付けられたのだそうです。また、開湯の歴史も弘化3年(1846)と古く、湯治場として親しまれてきたそうです。温泉巡りが盛んな乳頭温泉郷ですので、一軒宿ですが気軽に立ち寄り入浴をすることができます。玄関で受付をすると、右奥に進むと内湯、左奥へと進むと露天風呂があると案内されました。まずは露天風呂から攻めていきたいと思います。案内に従って廊下を突き当たりまで進みますが、そこからはサンダルに履き替えて外に出るようです。ところが外にでるとすぐに露天があるのかと思いきや、山へと進む道があるだけです。半信半疑で歩いていくと、ちょっと坂を下ったところに大きな露天風呂がありました。通路から丸見えの露天風呂ですが、男湯と女湯の暖簾が揺れているところを見ると、どうやら混浴のようです。しっかりとした脱衣場があり、そこは男女別に作られていましたが、やはり湯舟はひとつで混浴となっていました。しかしながら湯舟はホントに大きく、団体で入れるくらい大きなものなので、そんなに混雑してなければ女性でも入りづらいということはないでしょう。湯は無色透明で繊維状の湯の華がうっすらと見える程度です。同じ乳頭温泉郷でも、温泉地によってずいぶんと印象の違う湯があるものですね。ちなみに湯舟のすぐ脇からも湯がポコポコと気泡を立てながら湧いていました。目の前で湯が湧いているのを見れるのは、すごいことですね。続いて内湯に向かいます。内湯には木風呂と岩風呂というのがありました。廊下を駐車場方面に向かうと手前に木風呂、一番奥が岩風呂です。それぞれ男女別に浴室があります。また、一番手前には女性専用の小露天風呂もありました。露天がメインなので内湯なんて大したことはないだろうと高をくくっていたのですが、これがまたどちらも個性的で雰囲気もばっちりです。岩風呂の方は規模が小さめですが、その分、静かに入浴ができます。木風呂の方は床全体がスノコ状の板張りで、湯治場の雰囲気がありますね。湯舟はゆったりとしていて、少し熱めの湯が溢れています。露天とはちょっと湯の感じが違うなぁと思ったら、どうやら源泉が違うようですね。こちらの方が湯の華の量が多いようで、ユラユラと玉子スープのような繊維状のものが漂っていました。湯舟の目の前には上が平らになった石が置かれていました。甲石と名付けられていて、かつて蟹がたくさんいた石なのだそうです。旅の安全を願ってと書かれていたので、よく撫でておきました。窓の外を覗くと、小さな沢というか溝というか、水がチョロチョロと流れているところがありました。いかにも沢蟹がいそうな雰囲気のところです。実際には見かけませんでしたが、いかにも蟹場らしい光景でした。
掲載: 2014/09/16
Data
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林
- 源泉名:蟹場・唐子
- 入浴 :2013年5月
- 泉質 :単純硫化水素泉
- 泉温 :源泉53.5度
- PH :8.60
- 形態 :温泉旅館 混浴・男女別
- 効能 :慢性関節リュウマチ、慢性筋肉リュウマチ、神経痛など
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり(女性専用あり)
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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