広島県

こくみんしゅくしゃせんすいじま

国民宿舎仙酔島

ゆっくりたっぷりお湯巡り
広島県福山市の鞆の浦は、ジブリ映画「崖の上のポニョ」の舞台のモデルになった場所としても有名な景勝地です。古くから港町として栄え、また景勝地として人気も高く、国の名勝及び国立公園に指定された観光地です。その鞆の浦の目の前には、仙酔島というシンボル的存在の小さな島があります。この島は無人島ですが、宿泊施設や海水浴場などもあり、観光地として人気の高いところです。鞆の浦からは連絡船で5分ほどで辿り着くことができ、アクセスが楽なので気軽に訪れることができます。海水浴場のビーチの目の前には国民宿舎仙酔島という宿泊施設があります。レストランや入浴施設もあるので、行楽ついでに立ち寄ることもできます。この島には残念ながら天然温泉はありませんが、いろいろと工夫を凝らした入浴施設があるので、入浴を楽しみに訪れる人も多いのだそうです。浴場は1階の突き当たりに男女別の大浴場がありますが、4階には宿泊者専用の展望風呂もあるそうです。今回は立ち寄りでの入浴でしたので、大浴場に入りました。宿の規模に対して、脱衣所はゆったりと作られているような気がします。棚にはカゴ、そしてゆったりとした洗面台があり、宿の規模はけっして大きくはないものの、ゆとりのある快適な印象を受けました。浴室はタイル張りのオーソドックスなスタイルですが、とても奥行きのある浴室なので、つまらないような印象ではありません。湯舟はそれぞれそんなに大きいわけではありませんが、いくつもあるので湯巡りができます。まずはジェットバスがあり、これが主浴槽になるのでしょうか。洗い場の手前にはガラス窓で囲われたミストサウナもありました。外に出ると露天風呂があります。こちらは明るくて、ミニプールのような印象の湯舟です。温泉ではないので、無色透明のサラッとした癖のない湯ですが、開放感がいいですね。そんなに広くもないのに開放的な気分が味わえる理由のひとつとして、すぐ外側にあるビーチの音が聞こえるのです。波の音が聞こえるというよりは、ビーチで遊んでいる人たちの声がよく聞こえます。外にいるんだなという実感を味わえるところが開放的な雰囲気を盛り上げているのでしょう。内湯には奥まったところに湯舟が2つ並んでいました。手前側にある湯舟はここの名物風呂として知られる潮風呂です。海水を汲み上げて沸かしたお風呂だそうで、ナトリウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルが豊富で、温泉と同じような効果が期待できるそうです。また、海の水とはいえ、沸かしているのでプランクトン等は死滅してしまい、さっぱり感のある湯になっているとの説明でした。確かに海の水のようではあるけど、温度が違うせいもあってか、何だか違うような気もしてきます。一番奥にある湯舟は、ヨモギ風呂となっていました。ヨモギの香りがリラックス効果を与えているようですね。天然温泉ではないものの、温泉のように楽しめる湯舟が多く、海水浴帰りや行楽ついでに立ち寄ってもいいのではないでしょうか。ちなみに仙酔島内にはいくつものお風呂施設があり、海水イオンの蒸気を利用した足湯があったり、洞窟風呂や展望風呂、本格的な薪焚きの江戸風呂など、お風呂の島といってもいいほど、入浴施設の多いところです。温泉とはまた違った湯巡りを味わってみるのもいいでしょう。
掲載: 2014/10/01
Data
  1. 所在地:広島県福山市鞆町後地
  2. 入浴 :2013年7月
  3. 泉質 :海水
  4. 形態 :国民宿舎 男女別
  5. 露天風呂:あり
  6. 開放度:☆☆☆
  7. 清潔度:☆☆☆
  8. 気軽度:☆☆
  9. 景色 :☆☆☆
  10. 総合評価:☆☆☆