岩手県
ななしぐれおんせん・にしねろうじんいこいのいえ
七時雨温泉・西根老人いこいの家
静かな森の中で身体の芯まであたたまる
岩手県の北部、一日に七度時雨 れると言われるほど、天候が変わりやすいという七時雨山の裾野には牧歌的な景色いっぱいの田代平高原が広がっています。そんなとても静かな森の中に七時雨温泉があります。近くまで来た際に、地図に温泉マークを見つけたので立ち寄ってみることにしました。地図を頼りに近くまでやってきますが、目星をつけたあたりまでやってくると切妻屋根の重なった木造平屋建ての素朴な建物が見えてきました。けっこう山の中にあったので、素朴な共同湯みたいのを想像していたのですが、けっこう立派な建物です。最初は別の施設だと思ったので通り過ぎたのですが、他に建物もないのでどうらやここが目的地のようです。しかし、入口には「老人憩の家」と書かれているので、老人介護施設のようにも感じられ、一瞬戸惑います。しかし、中に入ってみると、一般の方も利用できる温泉施設になっていて安心しました。また、高齢者の方だけでなく誰でも利用でき、しかも市民の方は格安で利用できるようです。さっそく浴場に向かうと、脱衣場には鍵のかかる木造ロッカーと棚が並んでいます。けっこうシンプルなスタイルですね。浴室に入ると、ゆったりとしたスペースに大きな湯舟があります。湯舟は2つに区切られていて、右側の湯の方が温泉のようです。チョロチョロと源泉が注がれていて、そこには源泉を持ち帰らないようにと注意が書かれていました。浴室に入ってすぐに気付くことですが、少し鼻につくような饐 えたような匂いがあります。硫黄泉特有のあの匂いです。湯舟の湯はグレープフルーツジュースのような濁り具合と色の湯があります。いや、もっとくすんだダーク系の色かもしれません。また、湯舟のまわりには鍾乳石のような温泉成分の堆積が見られました。そのせいで湯舟の縁がコーティングされたようになっていて、とてもインパクトがありました。源泉の投入量は少なく、また泉温が低いようなので沸かして利用しているようです。でもその沸かし方がまた変わっています。湯舟に突っ込む形でステンレスのパイプがあるのですが、その上にバルブがあります。そのバルブを捻るとジューッという音とともに熱蒸気が湯舟に送り込まれます。その熱蒸気で湯を温めているのですね。火傷をしないように扱うときには注意をしましょう。さて、そのチョロチョロと流れる源泉ですが、ちょっと味見をしてみると、すっぱいようなしょっぱいような、そこに苦味を足したような味があります。けっして美味しくないどころかむしろ不味いです。浴室は大きなガラス窓があるので、明るい印象ですが、外は森しか見えないので見晴らしは悪いです。なので余計にシンプルな印象があります。浴後は休憩室でのんびりと過ごしましたが、森の中ということもあり本当に静かです。もうこの世には誰もいなくなったのかと思うぐらい静かで、また外の森の景色も綺麗でした。浴後は肌がツルツルとし体もすごく温まるので、これも温泉の効果なのでしょう。シンプルながらもすごく個性的な湯に出会えました。
掲載: 2014/10/26
Data
- 所在地:岩手県八幡平市西根寺田
- 源泉名:七時雨冷泉
- 入浴 :2013年8月
- 泉質 :単純硫黄泉
- 泉温 :源泉15.1度
- PH :6.2
- ラドン含有量:1.40×10-10キュリーラドン/kg(0.386マッヘ)
- 形態 :老人福祉施設 男女別
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆☆
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