群馬県
諏訪今日おんせん・おんせんせんたーすわのゆ
諏訪峡温泉・温泉センター諏訪の湯
ノスタルジックな気分に浸れる隠れた名湯
群馬県の水上地方は、自然豊かなアウトドア派の町です。冬はスキー、夏はキャンプ、春や秋はトレッキングと、まだまだたくさんの魅力が溢れる観光スポットです。また、いくつもの温泉地が連なり、温泉郷としても人気のあるところです。諏訪の湯は、水上と上牧の中間ほど、県道を外れた路地にポツンと佇む素朴な温泉センターです。地図でその存在を知って、さっそく訪れることにしました。県道から脇道に入るところには、古びた看板がポツンとあるだけで、「あれ、ここでいいのかな?」と不安になるようなところです。路地に入ってからも、さらに細いところに入るようになっていて、しかもそこは何だか作業場か何かの敷地のように感じて、本当にこの先に温泉施設なんかあるのだろうかと益々不安になってきます。よくやく奥に辿り着くと、数台の駐車スペースと、素朴で小さな温泉施設がありました。訪れたのが平日だったこともあるのでしょうがとにかく静かな雰囲気で、営業しているのかどうかさえも不安になるほどでした。駐車場に1台軽トラが停まっていたことと、玄関脇には「営業中」という文字も見えたので、ようやく安心できました。館内に入ると玄関脇に受付がありました。正面にはちょっとしたロビーのようなところと、脇には休憩用の広間もあります。とても年季が入っていますが、むしろノスタルジックな雰囲気がとても懐かしく感じるほど、落ち着いた空気が漂っていました。浴場は廊下の突き当たりにあります。脱衣場はそこそこのスペースがあり、小ぢんまりとした施設ながらも狭くは感じません。むしろガランとした印象さえ受けました。壁の貼紙には「石鹸は分離するので置いてありません」と書かれています。料金がとても安いし、共同湯的な雰囲気があったので、石鹸類は無いだろうなと予想していたので問題ありません。むしろ、そんだけ湯に特徴があるのだなと期待が膨らみます。浴室は壁際に洗い場が3つ、そして反対側に岩風呂がありました。源泉掛け流しを謳っているとおり、透き通るような無色透明の湯がトロトロと注がれ、そのまま溢れ出ていました。さっそく体を流して湯舟に浸かります。意外とぬる目の湯で、ふぅ〜っと体から力が抜けるような優しさを感じる湯でした。せっかく掛け流されているようなので、少し味見をしてみると、ほとんど無味なのですが、甘いような苦いような微妙に鈍い感じの味覚があります。しかもいつまでもその苦味のようなものが口の中に残る感覚もありました。それから軽く硫黄泉のようなゆで卵っぽい臭いも漂います。なるほど、なかなか個性的な湯ですね。そして湯舟もとてもインパクトのあるものです。小さな浴室ながらも男女を仕切る壁がダイナミックな石垣で、圧迫感もあります。石垣の上は板で塞ぐようにして男女を仕切っているのですが、いかにも後付けっぽさのある壁でした。もともとは覗こうと思えば見えてしまうような大らかな湯舟だったのかもしれませんね。ぬるめの湯にどっぷりと浸かりながら、湯舟の底のツルツルとした丸タイルを撫でていると、とっても落ち着いた気分になります。やはり温泉は施設や設備ではなく、泉質や雰囲気なんだなぁと改めて感じる湯でした。
掲載: 2014/11/02
Data
- 所在地:群馬県利根郡みなかみ町高日向
- 源泉名:諏訪ノ湯
- 入浴 :2013年8月
- 泉質 :カルシウム−硫酸塩温泉
- 泉温 :源泉42.7度
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆☆
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