埼玉県
ともえがわこうせん・ともえがわそう
巴川鉱泉・巴川荘
のんびりを楽しむ旅をご提案。秩父市の宿
秩父ミューズパークは、秩父を見下ろす丘陵地にある大きな公園です。グランドや各種スポーツ施設をはじめ、音楽堂や農産物の直売所まである、複合施設となっています。1日たっぷりと遊べることができるスポーツ施設ということで県内外の方に広く人気があります。公園の玄関口、荒川を渡った巴川橋の近くには巴川荘があります。ここは規模の小さな素朴な宿なのですが、鉱泉宿としても親しまれています。今までその存在は知っていたものの、なかなか訪れる機会がなく、今回ようやく念願かなって訪れることができました。宿はちょうど交差点のところにあります。森に隠れるようにしてあるので、意外と地味な印象ですが、その分とても落ち着いた雰囲気がありました。玄関に入ると宿の方が出迎えてくれます。立ち寄りの入浴をお願いすると、5分ほど待てば準備できるとのことでした。立ち寄り入浴の際には事前に連絡をしておいた方が無難かもしれませんね。待ち時間の間、ご主人がいろいろな話をしてくださいました。今年はキノコが遅いこと、この辺りは意外と雨量が少ないこと、ロッテよりも30年も前からキシリトールの採取をしていることなど、なかなか面白い話題ばかりです。食材の話が多く、かなりコダワリを持った食事が自慢のようですね。とても興味を湧いてきました。さて、そうこうするうちに風呂の準備ができたようで、奥の浴室へと案内されました。館内は鄙びているようですが、年季が入っているわりには清潔的です。じっくりと静養するにはちょうどいい施設かもしれません。浴場に入ると、内壁側に洗い場、そして窓際にゆったりとした湯舟がひとつあるだけです。とてもシンプルなスタイルですが、規模も小さくなくゆったりとした様子です。さっと体を流して湯舟に浸かりますが、無色透明の綺麗な湯なのに、これがまた肌にまとわりつくようなスベスベした浴感があります。サラッとしてさっぱりとした湯なのですが、この滑らかな感覚は只者ではありません。ちょうどぬる目の湯だったので、どっぷりと浸かりながら湯を楽しみます。また、湯舟は縁から底まで古代檜を利用した贅沢な湯舟です。この古代檜の湯舟は個人的にものすごく好きなんですね。このゴワゴワとした木の感触が、普通の木材と違う感じがあり、また石のような冷たさもなく暖かみがあります。窓の外は森というか小さな沢が見えました。荒川へと注ぐ沢のようです。木々が鬱蒼としているので、見晴らしはよくありませんが、自然に囲まれた雰囲気が味わえました。湯は恐らく循環されているのでしょう。溢れる気配はありません。ちょっと味見をしてみると、微妙に甘いようなそうでもないような、微妙な味覚を感じました。また、ぬる目ではあったものの汗もたっぷりと出て、とてもあたたまる湯のようです。秩父の市街地も近いですし、観光や釣り、ハイキングの拠点にも最適です。隠れ宿として人気があるのではないでしょうか。何よりもご主人コダワリの食事が楽しみです。常連さんも多いそうなので、機会があれば是非宿泊してのんびりと過ごしたいと思わせる素朴な宿でした。
掲載: 2014/11/08
Data
- 所在地:埼玉県秩父市久那
- 入浴 :2013年9月
- 形態 :鉱泉宿 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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