静岡県
れんだいじおんせん・れんだいじそう
蓮台寺温泉・蓮台寺荘
伊豆の里山に抱かれた閑静な湯宿
下田の市街地からクルマですぐ、ほんの少し内陸に入ったところに蓮台寺温泉があります。下田市の喧騒から離れ、田舎町ののんびりとした静かな雰囲気が漂う温泉地です。ここにはいくつかの温泉宿が点在していますが、繁華街などはないのでゆっくりと過ごす静養向けの温泉地です。今回は立ち寄りで蓮台寺荘を訪れてみました。ここは隠れ家のようなひっそりとした佇まいとともに、品格のある上品な宿です。玄関はまさに古民家のような重厚感のある和風造りで、どことなく歴史を感じさせています。古くからある老舗の温泉旅館という感じが、格式の高さを物語っているような気がします。館内も小石の埋め込まれた細い廊下や、所々に見える中庭の木々など、純和風の気品ある雰囲気がより一層高級感を漂わせていました。ちょうどこの年は80周年を迎える年なのだそうで、そう聞くとその歴史の重みを余計に感じますね。また、館内の雰囲気ばかりではなく温泉浴場もまた魅力的な造りになっています。まずは「鹿苑の湯」「花雫の湯」という大浴場、そして3つの貸切風呂があり、そのどれもが源泉掛け流しで楽しめるのだそうです。大浴場は男女交替制で、今回は「鹿苑の湯」に入ります。貸切風呂は宿泊者ならどれも無料で利用できるのだそうです。脱衣所に入るとすぐガラス戸越しに露天風呂が見えるて、とても明るくて清潔的な印象です。脱衣所はそんなに広くはないのですが、けっして狭くもないのでちょうどいい感じではないでしょうか。さっそく露天に出ると、まず正面には打たせ湯がチョロチョロと2筋流れている岩風呂、そして右側には東屋のついた岩風呂があります。正面の岩風呂は小さいですが意外と深さがあり、少しぬる目なので落ち着いてじっくりと浸かることができます。伊豆石を利用しているそうで、ゴツゴツとした岩がしっくりとしていますね。屋根のついている方もそんなに広くはないのですが、こちらは少し熱めで無色透明のサラリとした湯がじんわりと肌にしみ込むような感触のいい湯です。それからもうひとつ湯舟があるのですが、こちらは屋根と壁のある内湯です。ところが、とにかく明るい内湯です。天井から外光が射し込み採光豊かで明るいのですが、それだけでなく洋風の白い湯舟がとても優雅なのです。洋風というか南国風とでもいうのでしょうか、ここだけ雰囲気が違うのですが、ちっともミスマッチという感じではないのです。むしろさらに優雅な雰囲気を醸し出しているような、そんな浴室なのです。どの湯舟も気取らないのに魅せつける、不思議なセンセーションを感じました。この旅館のすごいところは、宿の雰囲気やお風呂だけではなく、従業員もみんな礼儀正しく愛想がいいことです。心から安らぐってなかなかできないでしょうが、ここなら思わず「ただいま」と言って、また来たくなるようなそんな心の宿でした。思ったほど宿泊料の高い宿ではないので、とても満足度も高いことでしょう。こういう常宿があったらいいなぁと思うのでした。
掲載: 2014/12/14
Data
- 所在地:静岡県下田市蓮台寺
- 源泉名:3種混合泉(蓮台寺2号、蓮台寺24号、蓮台寺26号)
- 入浴 :2013年11月
- 泉質 :単純温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
- 泉温 :源泉45.4度
- PH :7.77
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 優雅度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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