群馬県
きたかるいざわおんせん・おんやどじぞうがわ
北軽井沢温泉・御宿地蔵川
大正ロマン漂うレトロモダンな宿
日本ロマンチック街道と呼ばれる国道146号線を軽井沢から長野原方面に向かい、北軽井沢交差点を右折してすぐ、100メートルほど先に御宿地蔵川という旅館があります。昭和17年(1942年)創業という古風な宿ですが、西洋風のとても洒落た雰囲気の建物です。大正浪漫を意識しているのか、木造の落ち着いた雰囲気の建物なのに、綺麗でシックに煌びやかで、まさにリゾート地の隠れ家という印象がありました。この宿には北軽井沢温泉が引かれていて、日帰り入浴も受け付けてくれているとのことで、さっそく訪れてみました。宿に着くとこれまた何とも高貴なムード漂う、大人の隠れ家的な空気に満ちています。あまりにも上品で、思わず場違いな雰囲気を感じながらも玄関に向かいます。館内はアンティーク調のゆったりとしたロビーがあり、映画のワンシーンのような優雅な空間が広がっています。すぐ女将さんが出てきて快く対応してくれましたが、どうやら館内の一部を改装工事しているとのことで、少しロビーで待つことになりました。それにしても優雅な佇まいです。ウェブでたまたまホームページを見つけ、日帰り入浴も受け付けているようだったので訪れてみたのですが、この場違いな雰囲気はいたたまれないです。とても丁寧に対応してくれたので、「工事中に申し訳ないなぁ」と余計に気が引けてしまいます。諦めて帰ろうかと思ってしまうほどハイソサエティーな印象なのです。しかしすぐに浴場の用意ができたと案内され、高揚した胸の高まりを抑えながら浴場に向かいました。浴室は1階廊下の先、ちょっと重たい扉をあけると別棟へと続く廊下があります。小ぢんまりとはしながらも木造のロッヂ風の脱衣場がまたいいですね。シンプルながらも清潔感があり、暖かみも感じます。浴室はまず内湯がありますが、壁から床、天井まで石造りの北欧的な重厚感ある印象です。壁はシックな花崗岩で落ち着きをあたえ、床はさらさらとした触感のある礫岩でしょうか、とても安らぎを感じます。湯舟は一面が石畳となっていて、ゴツゴツした中にも滑らかさのある、包み込むような質感があります。浴室の規模は小さいながらもとても品があり、清々しさを感じます。また、湯舟には木造の橋が架かっていて、中庭風の露天へと続いています。湯舟をまたがって外へ出る感じが、空間に奥行きとイベント性を持たせているところが面白いです。湯舟は壁にある湯口からボチョボチョと無色透明の綺麗な湯が出ていました。あっさりというか、とても癖のないさっぱりとした湯です。見た目には特徴の薄い湯ですが、メタけい酸を含む温泉で薬効高いのだとか。露天は庭の奥というか隅に湯舟があります。大きな巨石を刳り貫いた湯舟がちょこんと置かれていて、こちらは内湯よりもぬる目の湯です。雰囲気のいい庭を眺めながらの入浴です。庭には滝と池があるようですが、このときは流れていませんでした。ひとりのんびりと湯を楽しみながら、優雅な気分を味わうことができました。あまりにも雰囲気のいい宿だったので、できることなら宿泊で利用したいところです。きっと思い出に残るような高級感を味わうことができるでしょう。
掲載: 2016/01/11
Data
- 所在地:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢
- 源泉名:地蔵川の湯
- 入浴 :2014年4月
- 泉質 :メタケい酸含有量が温泉法による「温泉」に該当
- 泉温 :源泉10.4度
- 湧出量:毎分22リットル
- PH :7.1
- 蒸発残留物:0.26g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別(貸切風呂あり)
- 効能 :病後回復期、疲労回復、健康増進など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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