佐賀県
うれしのおんせん・しーぼるとのゆ
嬉野温泉・シーボルトの湯
嬉野川沿いに立つレトロな洋館スタイル
佐賀県嬉野市にある嬉野温泉は九州を代表する温泉地のひとつで、市街地にはたくさんの温泉宿が点在して大温泉街を形成しています。またその歴史も古く、神功皇后の西征の折に発見されたという伝説もあるのだとか。神功皇后の西征というと3世紀頃の話なので1800年くらい前の話になりますね。その温泉地のランドマーク的存在の共同浴場がシーボルトの湯です。かつては「古湯」という施設でしたが、老朽化が進み平成8年(1996)に閉鎖されてしまいました。実は最初に訪れたときが閉鎖後で、建物はあるものの入浴できずに断念したことがありました。その後平成22年(2010)に再建して復活したとのことです。前の建物は大正浪漫漂う洋風建築だったのですが、どんな風にリニューアルされたのか気になるところ。ところが辿り着いてみると、まるでそのままクリーニングしたかのような、昔のままの外観でした。以前の建物は大正11年(1922)の火災後、ドイツ人が設計して大正13年に再建されものだそうで、それをそのまま外観を再現させたのだそうです。ゴシック調建築の洋館だったので、そのモダンな雰囲気がとても魅力的です。そのまま復活されてくれたので、前回入れなかった悔しさが打ち消され、何とも嬉しいかぎりです。館内に入るとすぐ下足箱があり、そしてちょっとしたロビーの脇に自動券売機がありました。受け付けを済ませて廊下をまっすぐ進むと手前側が男湯で奥側に女湯がありました。館内は外観そのままの木造レトロな、大正浪漫を感じさせてくれるような、シンプルだけど洒落た雰囲気が漂います。脱衣場はコイン返却式のコインロッカーが並びます。浴室は広すぎず狭すぎず、まあまあゆったり目です。タイル張りのシンプルな床に大きな湯舟があります。湯舟は2つに区切られていて、仕切り部分のナマズのオブジェのあるところから無色透明の綺麗な湯が大量に注がれていました。さっそく体を流して湯舟に浸かると、ツルツルとした柔らかな浴感に包まれます。美肌の湯として名高い嬉野温泉、まさに嬉しくなる肌触りに感激します。湯の温度はちょうどよくて汗が吹き出るまでじっくりと楽しみました。長湯とゆあたりに注意とありましたが、ホント気持ちよくて長湯してしまいます。また、週末の真っ昼間にも関わらずとても空いていて、のびのびと楽しむことが出来ました。昼間なので窓からの採光も豊かですごく明るいです。窓の外には川が流れているのですが、偏光式の曇りガラスなのか、よく見えません。街中にあるので景色を楽しめないのは仕方がないかもしれませんね。湯上がり後、2階に上がると、ゆったりとした休憩室がありました。また、エントランスの部分が吹き抜けになっていて、その2階部分が嬉野温泉の歴史やシーボルトとの関係資料などが展示されていて、ちょっとした資料館のような雰囲気がありました。観光ついでに是非立ち寄りたい、そんな共同湯です。
掲載: 2017/04/02
Data
- 所在地:佐賀県嬉野市嬉野町下宿
- 源泉名:嬉野温泉 清流源泉
- 入浴 :2016年6月
- 泉質 :ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
- 泉温 :源泉85.2度
- PH :7.72
- 成分総計:1.908g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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